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↓『フロン』(岡田斗司夫著、海拓舎、2001)より引用(24)



いままで何度も説明していますが、これからの社会において、最も避けるべきこと、不幸のもとは、感情の隷属です。
「あの人なしでは生きていけない」という状況に追い込まれ、何をされても、または何をしてもらえなくても、その人を好きでいるしかない。
それは、結果として、相手に自分への愛情を強制することになります。


これは、最も不幸な生き方です。
一番みっともない生き方でもあります。
「自分の気持ち至上主義」において最低のエチケットは、当然、相手に気持ちを強要しないことですから。
「自分の気持ち至上主義」を貫き、自分の気持ちのとおりに生きるためには、ひとりの人とずっと一緒に暮らすのは苦痛でしかありません。


これに対応するための一番簡単な方法は、決まった相手を作らないことです。結婚はもちろん、同棲もしない。恋人とも長期間、頻繁に付き合ったりしない。

いまの若い人ならどうかわかりませんが、20代以上の人間にはこれはなかなか寂しいと思います。

そこで、ここまで規制を撤廃するのはやめて、もっと現実的な妥協点を探します。すると「生涯、ひとりの人を好きでなきゃいけない、愛するしかない、という状況を作らないようにする」と着地点も見えてくるでしょう。

そのための具体策として、意識的に一妻多夫の関係を築くという方法が有効なのです。
一妻多夫の関係を持てば、その内のひとつが婚姻という法的な規制のある関係であっても、あまり大きな意味をもたなくなります。


一夫一婦制だと結婚相手がすべてです。現在、離婚が非常に多いのもそのためです。
年輩の女性は、とくに産業社会の倫理観や「オンリーユー・フォーエバー」神話を色濃く持っています。そのため、相手への愛情が少し冷めただけで、「もう私はこの人を愛せないのか」と苦しむことになってしまいます。その結果、妻が夫に離婚を言い渡すという、ありがちな結論にいきついてしまうのです。
離婚しないと、異性との気軽な交際はもちろん、夫を放っておいて女友だちと温泉旅行すら行けないからなのです。


けれども、価値観を一夫一婦制から一妻多夫制に移行することができれば、わざわざ離婚しなくても仲良くやっていける場合が多いのではないでしょうか。
夫の世話は、イヤならしなければいい。
旅行に行きたければ、勝手に行けばいい。
一緒に住むのがうっとうしければ、別々に暮らせばいい。
互いに会いたいときだけ、会いたいぶん、会えばいいのです。


が、いままでの価値観が邪魔をして、こう思い切れない。あなたがそう考えても、夫が承知してくれないということも多いでしょう。

そのために、互いの気持ちをきりかえる儀式として、「夫のリストラ」、つまり別居が必要になるわけです。
夫も妻も、多数の人間関係を持っていれば、愛し合っていないなら徐々に疎遠になるだけですみます。
久しぶりに会ったとき嬉しければ、それは愛情が復活しているのかもしれません。相手を大事にも思えるでしょう。
仲良くいるためのコツは、いつも互いに「必要な距離」を保つということでもあるのです。



↑(引用ここまで)
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…う~ん、20代以上の我々としては、「恋愛(結婚)している相手は、どんな人間関係にも優先する」という先入観にいかに支配されているか、思い知らされる文章です。

やっぱり、どうしても、ひとりの異性を好きになると、その人中心の生活になってしまいがちだし、ついつい気づかぬ間に相手にも「私中心の生活」を強要してしまっているように思います。

理由を考えてみると、やっぱり『寂しい』から。
それは、ただの「支配欲」かも知れません。

「自分は、相手のことばかり考えて生活している。相手も、そうだったらいいな。自分以外に目が向いていたら、寂しいな。友だちよりも、仕事よりも、いつもこっちを向いていてほしいな。」
ついついこんな感じに思ってしまいます。

こういった状況は、「相手にも気持ちを強制してしまう」可能性を秘めている以上、「危険な距離感」であることは否めません。


仕事があって、友だち付き合いもあって、家族との付き合いもあって、ひとりの時間もあって、そんな相手に魅力を感じて好きになったはずなのに、相手もこちらを好きだとわかった途端、「自分が、自分が」と前に出て、本来あったはずの相手の時間を根こそぎ奪ってしまう。
「会いたいから」。
理由はそれだけです。


…でも、
岡田氏が最後に言った、
『仲良くいるためのコツは、いつも互いに「必要な距離」を保つということでもあるのです』
という言葉のとおり、『仲良くいるためのコツ』は意識しておく必要があるとも、思うのです。


お互いに「自由な時間」を確保すること。
「会いたい」のに、あえてその時間を確保するのは、けっこうしんどいです。
でも、「会いたいから、会えるから」にまかせて、仕事や友だち付き合いや家族との付き合いやひとりの時間がどんどんおろそかになってしまうのは、危険な状態だとも思います。
自分をより魅力的にする「自由な時間」がどんどん少なくなってしまうのですから。


みなさんは、そんな時間の確保、どうしてますか?
良い「距離感」、保ててますか?


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