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↓『フロン』(岡田斗司夫著、海拓舎、2001)より引用(09)
さて、現在の皆さんの悩みの大半、この世の中にある恋愛相談や結婚相談のほとんどは、前に述べた「幸福な家庭へのゴールデンロード」の崩壊に気づいていないところに、問題の根幹があります。
男性は、単純にゴールデンロードが崩壊したことに気づかず、結婚すればあとは家庭を放っておいても大丈夫と考えています。
女性は、ゴールデンロードが健在だったころ、幸せをつかむ原動力となったオンリーユー・フォーエバー幻想が、いまや不幸を引き寄せることも知らず、狂信的に信じて振り回されています。
その結果いまや、オンリーユー・フォーエバー幻想は離婚や別れ、不倫の原動力になってしまいました。本当の相手を捜すためには、離婚したり不倫したりするしかないわけです。でも、結局そういう相手は見つけられず、悩んだり落ち込んだりもしてしまいます。
それなのに、いまだに大多数の人は、恋愛は結婚の必要条件だと考えています。
恋愛のない結婚は不幸だと考え、「私たちはお見合いや打算で結婚したけど、結婚してから恋愛が始まったんだ」とつい自分にまで言い訳をしてしまいます。
そういう”恋愛教”にはまっている人が世の中の大部分だから、夫から愛情が感じられなくなったことや、夫への愛情が薄れてきたことを不幸と考えたり、哀しいけど仕方がないの? と悩んでしまうわけです。
けれど考えてみてください。当たり前のことですが、恋愛の条件、すなわち「相手を独占したい」とか「楽しい時間を一緒に過ごしたい」というのと、結婚の条件である「毎日をストレスなく共に過ごす」とは似通っているようですが、じつは全然違うものです。
また、結婚の条件と育児の条件もずいぶんと違います。
「一緒に育児できる人」「子どもをちゃんと教育できそうな人」「手伝ってくれそうな人」「育児方針の似通った人」というのは、さっきの結婚の条件「ストレスなく一緒に暮らせる人」とはまた、かなりズレがあるでしょう。この「ズレがある」という冷徹な事実を認めましょう。
すなわち「恋愛、結婚、育児をするのに適した相手はそれぞれ違う」というところから考えましょう。
(中略)
それなのに、オンリーユー・フォーエバーな相手こそが絶対のもの、そうでなければならないものと捉えていると、いまの恋愛相手をむりやりこの条件に当てはめようとしてしまいます。
相手が好きなんだけど私との結婚生活には向いていないかも、一緒に子育てするにはもっと向いてないかも、という冷静な判断力を持つこと。
この人が好きだ、という恋愛感情を、いま結婚したいという気分があったからといって、単純に直結するべきではない。
↑(引用ここまで)
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…『恋愛の条件、すなわち「相手を独占したい」とか「楽しい時間を一緒に過ごしたい」というのと、結婚の条件である「毎日をストレスなく共に過ごす」とは似通っているようですが、じつは全然違うものです』。
…『「一緒に育児できる人」「子どもをちゃんと教育できそうな人」「手伝ってくれそうな人」「育児方針の似通った人」というのは、さっきの結婚の条件「ストレスなく一緒に暮らせる人」とはまた、かなりズレがあるでしょう』。
…『この「ズレがある」という冷徹な事実を認めましょう』。
なるほど「相手を独占したい」し、「楽しい時間を一緒に過ごしたい」。
そのうえ「毎日の共同生活をストレスなく過ごせる」相手。
さらには「一緒に育児を真剣にやってくれる」人。
…なんて、なかなかいなそうですよね。
ましてや私自身、これらの条件すべてに自信を持って応えられるなんて、到底言えません。
1コや2コだったら自分の得意分野は、ありそうですが。。
岡田氏は、この本の中で、結論として「恋愛」と「結婚」と「育児」のパートナーは(自分ひとりでやることも選択肢のひとつとして)それぞれ別の人でもかまわない、そういう時代になってきている、と言っています。
「我慢」を美徳としない我々現代日本人が、この3条件をたったひとりに要求したり、されたりするのは、どう考えても無理がある、というのです。
彼の言うとおりなのかもしれません。
でもそれは、毎日共同生活をするパートナーはいるのに、別にデートする相手がいたり、子育てを別の人としていたりする、ってことです。
なんだかとっても浮気性で、ちゃらんぽらんな生き方に見えてしまいます。…我々の中に根強い「古い倫理観」から見てしまうと。
でもそれは、かつて産業革命が起こっている時代に、古い中世の価値観から見て、「他人の作った食べ物を食って、他人の作った服を着て、他人が作った家に住むなんて、なんて自立してない生き方なんだ!」と批判したのと同じことなのではないのでしょうか?
かく言う私だって、ばっちり「古い倫理観」の下で育ってますから、違和感は、そりゃあります。
でも、「もしかしたら、自分の頭がカタいだけなのかも?」とも、思うのです。
「ひとりの異性と付き合っているとき、他の異性に心惹かれるのって、本当にいけないことなのかな?」
「中学生の女の子が友達をとられて嫉妬するのと同じように、恋人を束縛するのって、本当にしちゃっていいことなのかな?」
…こんなこと言おうもんなら、女性の方々にメチャクチャに怒られそうですね。。(苦笑)