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↓『ぼくの生きかた』(島田紳助著、KTC中央出版、2001)より引用(04)
携帯電話のメールというのを、けっこう親子で愛用している。
アメリカにいる次女からも、毎日のように、メールがくる。
最初の二~三か月は、かなりへこんでいた。
「今通っている短大から、南カリフォルニア大学へ編入するのは何十分の一の確率です。去年も希望者は何百人もいて、合格したのは十数人。日本人はゼロ。日本人はたくさんいますが、勉強しに来ている人に会ったのは一人だけです。二十歳の女の人です……」
せっかくアメリカに来て、ずっと日本語でしゃべっている日本人がほとんどだと言う。ロスで、豊かな暮らしを楽しんでいるだけなのだろう。ぼくだって高校のとき、勉強はしなかったけど、人間関係や、人の生きかたや、ルールを学んだ。彼女ら、彼らは、アメリカでそれを学ぶのだろう。それもひとつの目的なのかもしれない。
でも、アジアのほかの国から来ている学生は、「勉強をしに来ている」らしい。せめてそういう人の多いクラスに変えてもらおうとしたらしいが、「テストも受けずに何を言うか」と言われた、とも書いてあった。
結果はどうあろうが、ぼくは次女が夢に向かってがんばっているようすがわかるのが、うれしい。
(中略)
最近、だんだん、娘に育てられているような気がしてくる。
この間も、東京の番組で大ゲンカして、キレて帰ってしまったことがあった。こういうことは、めったにあることではないだけに、帰っても眠ることができなかった。
たぶん、キレなかったとしても、眠ることはできなかったとは思うが……。
それで、長女にメールをした。キレてしまったこと。キレてしまった理由。こうしてメールを書いている今も、まだ眠れない思いでいること……。
すると、すぐに返事が返ってきた。
「ぶちキレちゃいましたか。あら、まあ。辛抱強くプライドもって……って、いろいろ大変ですね、大人は。でも、我慢してキレないでニコニコ愛想笑いしているおっとうは、おっとうらしくないぜ。それで他人は『紳助さん、丸うなったね』と思うかもしれんが、それは違うとマキは思う。キレてもしゃあないって言ったらあかんのかもしれんけど、今までキレて当然やったことにキレるのはしかたないし、キレるべきやと、十九歳は考える。だって、我慢してへらへらしてたらカッコ悪いやん。人にどう思われようが、自分にカッコよく生きるのが、日本男児やん。基本的なことを忘れたらあかんで。マキは、キレても太っても、日本男児のおっとうを尊敬してるよ」
十九歳に素直に打ち明けたことを、ぼくはよかった、と思った。
十九歳が父を救ってくれることも、あるのだと。
↑(引用ここまで)
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…いいメールの使い方、してるなぁ。
「尊敬してる」とか、「愛してる」とか、普段から思ってはいるけど面と向かっては言えないことを、メールでなら伝えられることって、ありますよね?
別に男女の仲でなくとも、自分のことを普段から気にかけてくれてることが伝わるのは、なんちゅうか、気恥ずかしいけども、涙が出そうになるくらい、嬉しい気持ちにさせられます。
何年か前に、大学受験を当日に控えたY君に、朝、メールを送りました。
自分からメールなんて滅多に送らない私だけども、彼の受験のことは本当に気にかかっていて、自分のことのように心配で、何とかエールを送ってあげたかったのです。
その気持ちを、そのままメールにしました。
返事はすぐに返ってきました。
「みつ…愛してる!」
…嬉しかった。
…男同士でこんなん、気持ち悪いですけど(笑)。。
数年前、T君の家の犬が死んでしまった。
彼は、どうにもならない自分の気持ちとやるせなさをメールで伝えてくれ、家まで来て話しにも来てくれました。
その事実自体は私にとっても悲しかったけども、彼が心の隅っこにでも私を置いといてくれて、つらいときに頼ってきてくれることを、嬉しく思いました。
全力で受け止めてあげようと思いました。
…最近、ちょっとサボりぎみかもしれません。
いくら照れ臭くても、気持ちは、伝えるようにしないと。
大切に思ってる人に、「愛してる」「いつも気にかけてます」って伝えないと。別に、男女の仲でなくても。
ツレも、親も、兄弟も、いつまでも近くにいてくれるとは、限らないんだから。