クロップのこれまでの貢献について。Thisisanfield.comの今日の記事です。
この記事を書いたコラムニストは、熱烈なリバプールファンなんでしょうね。自己批判的といわれるイギリスにしてはすっごく情熱的な文章だったので、ご紹介します。

ユルゲン・クロップの素晴らしい点の一つは、彼がサッカーを楽しいものにしてくれたことだ。
試合とその背景にある気持ち、成功が、あとほんの少し先だという期待感とを、意味あるものに仕上げることにおいて、彼は輝きを放つ。
今までの間にクロップがリバプールに与えた最も大きいインパクトは、クラブ全体に、大いばりで歩く気分にさせてくれたことだ。ピッチの中でも外でも、選手やサポーターは、このクラブが進んでいく未来を信じることができるように、変わってきたことを感じることができるだろう。

現実的には、クロップが到着する前に既に存在した、全ての成功を阻む要因となる壁は、なくなってはいない。だけど、突然それは、乗り越えられないもの、ではないと思えるようになったのだ。
クロップの到着とともに、ピッチから離れた場所で素晴らしい仕事がされ、それが全体としてひとつの野心のもとに同時進行してきたのだ。クラブの今いる場所とどこに向かっているのかを見始めると、興奮してくるようなことが沢山ある。
結びつき
僕らは認めたくはないが、自分達自身を、サッカークラブとして、あるいはファンとしてのあり方を厳しくふりかえってみると、以前にはあった、このクラブが何か特別なものだと感じる、オーラのようなものを、失ってしまっていた。それには沢山の理由があるが、ファンとクラブが結びつき、本当に特別なものを作り上げていた時もあったのだ。でも、そんな瞬間は、それほどありふれたことでもないだろう。
もしも、クロップが、リバプールFCのロマンスにポーっとなってだまされてここにきたとしたら、彼はすばやく学んだことだろう、昔はクラブを特別な存在にしていた独自の文化を再建するために、やらなければならない仕事が沢山あるということを。

この魔法の成分というものを、二つの言葉で表すとしたら
、「集合性」と「団結」だろう。
この二つの強みは、クラブを成功させ、逆境を乗り越えるのを助けるだろう。
こういうアイデンティティの変化による再建は、クロップが必死になって行っていることのひとつだ。まさに、何故彼が、選手達に、サポーターの前で団結を示すように仕向けたのか、サポーターにアンフィールドに来るように強く促したのか、その理由はあきらかだ。彼は何か特別なものを築こうとし、クラブの全ての者に、高みに登ることを楽しませ、底辺から引き上げて一つにさせたのだ。
クロップの人間性のパワーの源は、
「伝染性が強い」ということだろう。彼は人としっかり関係をつくり、ドルトムント時代から、
人に長い道のりを進ませるのは団結という力だということを知っているのだ。
彼が全てのことを正しく行ったわけではないが、彼の目的は、クラブとサポーターとの間の隙間を埋めて、再び団結という感覚を作り出すことであり、それにより全てを可能だと思わせることなのだ。こういった目的意識というものは、クロップが、真に輝かしいマネージャーであり、リーダーである理由となる資質の一つといえるだろう。
競争僕らにとって、試合の最後に勝負に勝つために戦うのを妨げている、最も大きな障壁となるものは、競争相手のホームやアウェイでの強さだった。
深く隠された、僕らを導く方法論によると、成功とは、方程式のように見えるものであり、美とは、科学的なものではない、というものだったけれども。
僕らは、近頃、他の金持ちクラブによって、熟した果実を取り上げられることよりも、最優秀選手を手元に置くことのほうが、簡単であるということに気づきはじめている。プレミアリーグに、放映権によりもたらされる収入によって、より多くのクラブが高報酬を最優秀選手たちに支払う余裕ができてきたし、それにより試合時間などの、クラブ間の平等化も、もたらされてきた。
勿論、いつでもルールには例外がある。ラヒーム・スターリングなどは、常に勝ち取る機会を求めるような選手の一人である。時間がたてば、彼が正しい決断をしたのかどうかがわかるものだが、彼の以前のクラブには、そこでも同様に、勝つことへの野望が不足することはないということを、教えられたのだったが。
(starta:スターリングは、リバプールとの契約延長を拒否して7月にマンチェスターシティに移籍。最近マンチェスターシティをリバプールが破ったリーグ戦のことをさして皮肉っていると思われ)

リバプールよりも資金力のあるクラブは、国内外にも存在するが、短期長期双方において、ギャップを埋める橋となる機会が非常に沢山あると僕は思っている。
そう考える理由のひとつは、クロップの元で戦うテンポが早くてエモーショナルなスタイルは、プレミアリーグのスタイルとは大きく違っているということだ。
いろんな意味で、クロップがリバプールに就任したタイミングは完璧だった。プレミアリーグのTOP4のチームは、色んな変化の途中という状況であり、夏の監督交代というものは本当に展望を現実的に変えるものだ。
もしクロップの就任が、他のチームの変化中の状況において、有利に働き、そしてチームを一貫して彼の望むサッカーのやり方をやらせたとしたら、こういった、長年、打ち破ることが難しかった経済的障壁を乗り越えることも、短い時間で可能にできるだろう。
成長リバプールにおいてFSG(ファンウェイスポーツグループ=リバプール経営母体)が完全に正しかった点が一つあるとしたら、それは、ピッチ以外の経営成長と言う点においてだ。
新しいメインスタンドが2016/2017年度にオープンとなれば、大きな収入となり、長期的競争力のためのより良い力となる。
クラブは、FSGが引き継いだ商業面での経営において、大きな決断をしてきている:今僕らは、グローバルなクラブとして考え行動し、世界中に足跡を残してきている。僕らがピッチ上で他の世界中のビッグクラブと張り合いたいのなら、ピッチ外でも同様に勝たなければならないのだ。
今のメガクラブの幾つかとは異なり、僕らは、出資者による投資が僕らの成長のためによいとは信じていない。マンチェスターユナイテッドやアーセナルが証明したように、自分達自身の決定権をもつ、自力存続可能なモデルとしては、ピッチでの競争力を持つということが自動的に必要となる。
僕らは既に、リバプールにおける自力存続可能なモデルとしての芽吹きが更に成長してきているのを目撃してきたが、まだ、もう少し成長する必要があるのだ。
12ヶ月以内に、55000人の人がアンフィールドをユルゲン・クロップが率いるのを見るだろう。ピッチ外では、スタジアム拡張により、再開発に必要な、重要なバランスシート上でのローンをオーナーから得て、さらに競争相手との経済的ギャップを乗り越える以上になるだろう。
FSG傘下での僕らの成長を見ると、僕らが成長し続けることへの真実のコミットメントが続いていることが分かるだろう。それは、その時その時の、一歩一歩の成長であり、全ての決定が正しかったわけではなくても、上昇軌道にのっているクラブとして振舞ってきていることが分かるだろう。
希望いつだって、まだまだやらなければならないことは数多くあるが、今、ピッチ外でも、リバプールの成長とそうなるための野心が同時進行しているように思われる。
クロップは、救世主でも、奇跡の担い手でもないが、彼のリバプール就任は、大きなメッセージとなった。物事は、良くなりすぎるということはない、ということを示し、そして、最高峰のサッカーというものは、FCリバプールがもつ野心と同じものを、持っているのだ。
