私が昨年まで働いていた会社は

いわゆるブラック企業だった。





そのパワハラ上司に2人きりで飲みに誘われた。




そこでしつこく交渉されたものの

何とか断って乗り切ることができた。





上司「わかった。じゃ会社に戻ろう」





上司はアプリでタクシーを呼んでいたので、乗車することに。




上司「神奈川県〇〇〇〇」





私「えっ」





会社は都内にある。





多摩川を渡って、どこに向かうというのだろうか。





私「どこ行くんですか!」





上司「え?大丈夫だよ」





上司が言った住所を調べてみると、

何とラブホだった。





私「やめてください!今すぐ会社に戻ってくだささい!」





戻ろうとしない上司。





私は一瞬考えた。

上司は、180cmを超える巨躯。

力で勝てるわけがない。





だから、泣いた。





私は悲しくなくても、10秒以内に泣くことができる。





そして言った。





「ぐすんぐすん(;_;) こんなことM(同僚)が知ったら悲しむ。Mを悲しませたくない」




この頃私は、まだ同僚Mと付き合ってなかった。





でも私の心の中には、いつもMがいた。





だから泣きながら、女子中学生のようにピュアなことを言った。





泣いたことで(というかその前から)、

タクシーの運転手さんも気にかけてくれた。





上司は「わかった、帰ろう」と言った。





おおごとになる事を恐れていたのかもしれない。





こうしてすんでのところで、拉致されるのを回避した。





こんな手荒な手口でホテルに連れていこうとするなんて、何て往生際が悪いんだ!





よわい51歳にして、こんな手を使ってまでしたいのか。





マリアナ海溝より深い欲望だ。




しかし翌朝さらにぶっ飛んだことを言ってきた。

(つづく)