「もう今日はお母さんやりたくない!
やーめた、やめた
今日の予定はぜんぶナーシ!」
あと数分で出かけるところだった私たち。
息子とのなんだったのか忘れた些細なやり取りに、
ネジがブーンと吹っ飛んだ私は、
捨て台詞を吐いて
二階へと一人で上がった。
朝から頭痛いし、
心も身体もグィーんと成長中、
いろんなバランスが不安定の小5息子とは、
最近全く波長が合わない。
ただでさえ噛み合わないから、
些細なことですぐぶつかる。
家だろうが、外だろうが、
どこだろうとぶつかる。
やめたいのに、
何度もぶつかり合う。
知るか!
そう思いながら階段を上り、
畳にドーンと寝っころがった。
窓から見えた青空が、
私の焼け野原みたいになったハートに、
やさしく水を細く弱く注ぎかけてくれた。
大人げないな…
そう思った。
だけど、
もうイヤ!もうイヤ!イヤイヤイヤ!
私の中で叫んでるわたしは、
黙るどころか、
太鼓まで叩いて暴れている。
知るか。
少しして、
息子が上がってきた。
膨れた声で、
「行こうよ。」
辛うじて出した言葉なんだとわかる。
と同時に、
何もしてないのに
母さんをやめる!といきなりキレられた上に、
出かける予定が目の前で却下された一番の被害者、
妹である娘のことも寝っころがりながら、
気になっていた。
「ねぇ、行こうよ。」
息子がもう一度言う。
「ヤダ!」
太鼓のわたしが言う。
「子供みてぇじゃねーか!」
ごもっともな感想。
階段を上ったり降りたり、
行ったり来たりしている小さな足音が聴こえた。
息子と私のやり取りに聞き耳を立てている娘の気配を感じ、
私の心の中はぐちゃぐちゃになる。
涙がポロポロ出てきて、
さっきの青空に助けを求めたけれど、
やさしい水は降ってこなかった。
立ち上がり、
私は娘を探しに階下に降りた。
私と目が合った娘は、
私に向かってなにかをポーンと投げた。
そして、サッとどこかに走って行った。
私の足元に落ちたのは、
紙飛行機だった。
拾って、
折り紙を広げてみた。
じしんをもって!!
おうえんするよ!(^-^)
きをとりなおして、
かあさんがなおすこと
1.あきらめない
いっしょになおそ(^-^)
なりたい自分になればいい
だいすき
私は、
さっきの青空から降ってきた手紙なんじゃないかと思った。
親だからとか子供だからとか思わなくなった時、
教えたり、
教わったり、
できるほうがする。
完璧を目指さない。
受け取れるものをしっかり受け取れる
素直なこころは、
いつも素直にさらけ出してたい。
そして
なかなかそれをできない日のわたし、
ごめんね。