帰宅。



ただいまー



ゲームの人(兄)、テレビの人(妹)

それぞれが、


おかえりー


と声だけのお出迎え。


中に入ると

ゲームの人が、


「今日、はなが4年に絡まれたんだってー」


と声だけを私に向ける。


「そうなの?」


と私はテレビの人を見る。


目線はテレビへと向いてるけど、

明らかに目の周りが赤く、

まだ涙が残ってる。


私はテレビの人の

頭を撫でる。


「テレビちょっととめて」


テレビ、一時停止する。


「どうしたの?」


娘は初めて私の顔を見る。


涙の目と、心配の目が合う。


途端に娘は泣き出した。


あ、歯列矯正器具、外したな、、と気づいてしまうくらい、

大きく口を開けて泣いている。


意識が逸れた、

娘の話に意識を戻す、集中。


泣きながら娘は

4年に絡まれた件に続き、

学校で起きた今日の嫌なことその1、その2、、

どんどん吐き出している。


その間、

私は彼女の涙を時々拭いながら、

聴く。


ひとしきり出尽くしたか?

というところで


あ、わたし、テレビ観てたんだ


みたいな顔して視線がテレビに戻る。


「泣いたら喉かわいたね。なんか飲もっか?

お茶?ミルクティー?」


「オレ、ミルクティー!」

(いや、おまえに聞いたんじゃな…)


、ミルクティー。」


よし、わかった。

待っててね、淹れてくるから。





毎日の中には、

色んな感情を知る経験が用意されている。

悲しいも、ヤダヤダも、もー!も、胸が痛いも、

ごはんみたいに味わいながらよく噛んで食べる。

そして、ちゃんと出す。

私もちゃんと出せる人でいたい。


そして

ちゃんと出せるようにそばにいる人。

そんな人でも私はありたい。