娘と約束した、エッフェル塔に向かって

一人歩いていた。

 

Google MAP氏によれば、徒歩では目的地までは40分ちょいで到着見込み。

一人で

メトロ乗車にチャレンジする、

バス乗車にチャレンジする。

わからなかったら、聞く。

やろうと思ったら、

私にはたくさんのチャレンジの可能性が拓けている!

その時の私は「チャレンジする」という事が

宝さがしの宝みたいに見えていたのかもしれない。

今振り返ってみても、

いつもの私とはだいぶ違うテンション、

かなりうらやましい。(戻りたいな笑)

 

空が青くて、

日本より少し紅葉が進み、秋先取りの色彩。

ゴツゴツした石畳みの歩道、

歩くと汗ばむくらいの陽気。

カラッとしてて、きもちいい。

半袖の人もいれば、ニット帽に冬物の上着を

羽織っている人もいる。

 

出発前、羽田からかけた電話で

娘が言った。

 

「ママ、エッフェル塔見るの?

   見たら、見せて。

   写真送ってね。」

 

搭乗直前の私をなんとか快く見送ろうと、

本当はわたしもパリに行きたかったって

言いたいのに言えないで、

そのかわりにそう言っている彼女の心が糸電話の振動みたいにジンジン胸に伝わってきて、

 

「うん、見るよ。

   エッフェル塔、写真送るね。」

 

って言うのが精一杯だった。

 

エッフェル塔への道中、景色や気温や街並み、サイレンの音、耳に入るフランス語、

ぜんぶを全心に留めながら、

文字通り、私は一人自由に歩いていた。

 


 

 

 

"Are you lost ?"

 

そんな時、すれ違ったビジネスマンに

こう聞かれた。

 

迷子に見えたのかな。

日本にいたら、たとえ道に迷っていたとしても、

「迷子なの?」なんて聞いてもらえることは、ほぼない。

 

困ってもいなかったし、

迷ってもいなかったから、

お礼を言って、また歩いた。

だけど、人を頼っていいことはあるんだな、

って差し出された人のあたたかさが

うれしかった。

もっと、人に頼ることのハードルを低くしようよ、とも感じた。

 

この時の道のりは、景色、それを感じながら思ったこと、

日本で感じてたこと、色んなことが交錯した感慨深い時間。

忘れたくない。

 

帰り道は、ひとりバス。

乗り間違えにチャレンジできたのも、

すごくいい思い出。