ガルド・ミラの話 | 新・よもやま話の箱

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ヤフーブログより移転してきました。

今から20年以上前、『ファンタシースター・オンライン』(PSO)というゲームが流行っていました。

 

当時はまだ珍しいアクションRPGで、プレイヤーはラグオルという世界を冒険しながら成長していきます。仲間と協力して遊ぶことも可能で、当時も友達と集まっては、よく遊んでいました。

 

このゲームの魅力は豊富なレアアイテムで、武器・防具など、様々な種類があり、また、レア度によっても様々な種類がありました。比較的よく落ちるけどあまり使えないレアから、滅多に落ちないとても強力なレアまで、豊富なアイテムがありました。

当時はネットも殆ど発達していなかったため、私達の情報源は攻略本でした。

 

銃を使うキャラで遊んでいた私は、攻略本を見て、ある銃に憧れを抱きました。それが「短銃ガルド」「短銃ミラ」です。その2つは短銃の中でも最強の銃であり、しかも、2つ揃えることで最強のマシンガン「ガルド・ミラ」に合成することができると書いてありました。マシンガンは、威力だけで見れば銃の中でも最強です。ですから、「最強のマシンガン」と言えば、銃使いにとっては最強の武器であることを意味します。ここから、私の果てしないガルド・ミラ探しが始まりました。

 

しかし、短銃「ガルド」も短銃「ミラ」も、最強の銃である半面、入手難度も最高峰であることが分かってきました。ただ、どのくらい確率が低いのかは分かりません。短銃ミラの方が、それをドロップする敵と多く戦うことができ、入手難度がガルドよりやや低めだったため、短銃ミラの入手から目指しましたが、それでも何年、何百時間遊んでもドロップしませんでした。そのうち心が折れ、同時にネットトラブルで装備アイテムを全て失ってしまったため、それを機会にゲームをやめてしまいました。

 

 

それから20年ほどの時が流れます。

私と友人達は、ディスコードを始めました。始めたきっかけは何となくでしたが、配信ができることに気がつくと、お互いにゲーム配信をして楽しむようになりました。誰かが遊んでいるのを見ながら、他の皆と一緒にわいわい楽しく喋る感じです。

 

しかし、友人は何故か20年も前のPSOばかり遊んでいます。何でなのかは分かりませんが、友人はとても楽しそうにプレイしています。そして、それを見ているうちに、私も久しぶりにPSOで遊んでみたくなりました。

 

ずっと押し入れで眠っていたWiiとPSOのソフトを引っ張り出し、Wiiを配信する環境を整えると、私のPSO人生が20年ぶりに再開されました。

最初は、今更キャラクターを1から作り直す気力はありませんでしたので、以前のプレイで失った装備アイテムを少しずつ取り戻すことにしました。

 

 

色々な情報を忘れていたので、改めて攻略サイトなどを見て情報を集めましたが、今は当時と違い、色々な情報が更新されていました。キャラクターの効率的な育て方、ドロップアイテムの情報(特にドロップ率)など。当時の、あやふやな情報の攻略本よりも、明らかにしっかりした情報がそこにはありました。

 

攻略本には、実在が疑われるレアアイテムがいくつか載っていましたが、それらについても検証がされ、実在するアイテムについては、詳細な情報が載っていました。ここで私は衝撃を受けました。ガルドやミラも、攻略サイトに載っていました。文章だけの情報だった20年前とは異なり、実在することが動画や画像も交えて、詳細に語られています。一度諦めた最強武器は、確かに存在していたんだ。もう一度、挑んでみるか?私のプレイ目的は、この時に決まりました。

 

ただし、ガルド、ミラの入手難度の高さは、以前から薄々知っていた通りでした。最新の検証で明らかになったドロップ率はどちらも「0.009%」。1万分の1未満という、恐ろしい低確率です。それでも、実在するのなら、目指す価値はある。以前のように根を詰めてやらず、友人と楽しみながら目指してみようと思いました。

 

どうせやり直すなら、一度本気で目指してみようと、入念に準備を始めました。効率的に敵を倒すための武器を入手し、キャラクターも新たに作り直しました。現在では効率的なキャラの育て方も確立しており、2日もあれば、レベル100を超えるキャラクターを作り出せます。

新しく作ったキャラクターに「ミラ・ガルド」と名付けました。

ドロップアイテムはキャラクターの属性によって変わりますが、属性は名前によって決まります。この「ミラ・ガルド」という名前は、ちょうど、ミラやガルドをドロップできるホワイティルという属性になりました。

冗談で「ガルド・ミラを手にする為だけに生まれたキャラ」と言って友人と笑い合いました。2022年8月も終わりのことです。

 

 

それから約半月後の9月19日、奇跡が起こりました。

いつものように、このキャラで「セントラルドームの炎禍」をプレイし、大量のトーロウ(ミラを落とす可能性がある)を狩っていた時のこと。戦場に赤いアイテムが落ちているのに気づきました。近づいてみると、銃のスペシャルウエポンです。ただし、この状況は見慣れた光景でもありました。トーロウと一緒に現れるザコが銃のレアアイテム「ギルティライト」をよく落とすのです。これで何度ぬか喜びさせられたか分かりません。「またか…」そう思いながら、一応拾い上げてみることにしました。

 

銃の性能を見ようとメニュー画面を開いた時、おかしなことに気づきました。「装備不可」と表示されています。私のキャラはレンジャーで銃の扱いに長けており、装備できない銃などない筈です。「何だこれは…」そう思った時、私の脳裏にある情報が浮かびました。性別によって装備できない銃がある。そして、その特徴を持つのは…。

 

それに気づいた時、私は友人達に連絡し、ディスコード上に呼び出しました。そして、全員が固唾を飲んで見守る中、鑑定を行いました。

 

伝説の武器の一つが、遂に手に入りました。

PSOを20年ぶりに再開して、約1カ月。ガルドやミラを狙うための新キャラを作って半月ちょっとです。

こんなにも早く入手できるとは想像もしていませんでした。

正直なところ、根を詰めずに遊ぶようにしていたので、友人たちが飽きてきたら、自分も諦めてやめようとすら思っていたのです。

 

しかし、幻の武器の1つを手にしてしまったことで、話がまったく変わって来てしまいました。これはもう、もう一つも手に入れるしかない。私の「何となくのやる気」は、ここで確固たるものに変わってしまいました。

 

 

翌日から、ガルドを探す旅が始まりました。

しかし、ガルドに関しては、ネット上のあらゆる情報が、ミラよりも過酷であることを示唆していました。ドロップ率はミラと同じですが、ドロップする敵の数がミラよりずっと少ないのです。

 

ガルドをドロップするのはカオスソーサラーで、通常マップをやっていても出現数がとても少ないため、早ければ15分程度で10体のカオスソーサラーを倒すことができる「博士の密かな欲望」というクエストを周回するのがもっとも効率が良いとされていますが、ネット上の情報では、とても早くて800周、平均で2700周、ひどい場合は4000周しても出ないという情報もありました。

私としては「出ないと思われていたミラが出た以上、ガルドも可能性を信じてがんばるしかない」と思い、修羅の道へと踏み込んでいきました。

 

 

最初のうちは、とても順調に感じていました。

グランソーサラーが異常ともいえるほどの確率でレアアイテムをドロップしたのです。近づいてみるとフォトンドロップという全キャラがランダムで落とすアイテムで、いわゆる「ハズレ」でしたが、これほどの確率でレアアイテムを落とすのなら、年内のドロップも見えたのではないか?そう期待しました。

 

実際、2022年の終わりまでの約3カ月半で17個ものレアアイテムが落ちましたが、全てフォトンドロップでした。そして、1月3日の18回目のレアドロップ後、グランソーサラーはまったくレアアイテムを落とさなくなり、その確率は1カ月~3カ月に1つにまで落ちてしまいました。いや、本来の確率に戻ったというべきか…。

 

友人たちはとうにPSOをやめていましたが、私はガルドを求めて2023年も続けていました。しかし、徐々に疲れが出てきました。ホワイティルは元々遺跡ステージではレアドロップ自体が少ないのですが、100周周回してもザコ敵すらレアアイテムを落とさない、ということも起こり始めました。レアアイテムが1個も落ちずに同じステージを周回するのは、次第に大きなストレスになり、実生活にも支障が出始めました。

 

ここで、私はひとつの決断をします。

ガルド探しを継続するため、ガルド探しをいったんやめることにしました、一見、矛盾しているようですが、これ以上無理をしてこのゲームを続けることは限界があるため、いったん離れて気分転換をしよういう心づもりです。またいつか、やる気が戻ってきた際に再開することにしました。

 

2023年の3月、こうして私はいったんPSOをやめ、ちょうど発売されたSwitchの『ゼルダの伝説ティアーズオブキングダム』を思う存分遊びました。

 

 

それから5カ月が過ぎた8月、ティアキンをクリアして一段落した私は、再びガルド探しを再開しました。しかし、相変わらずの単調な作業に体は限界を示し、1日のプレイでクエストを3周もするのが精一杯でした。それ以上は眠くなってしまいます。相変わらず、グランソーサラーはレアドロップすらしません。それでも諦めずに続けました。

 

 

2024年、1月9日。午前1時40分。

普段なら、こんな時間にゲームをしませんが、前日から風邪気味で1日寝てしまい、ようやく元気になったものの変な時間に目が覚めて眠れなかったため、ちょっとやってみようとPSOを起動しました。

いつものクエストの1周目で、グランソーサラーが24回目のレアドロップをしました。2カ月半ぶりのことです。

 

いつものようにフォトンドロップかなと思い、近づいてみたところ…。

ついに、奇跡が起こりました。

グランソーサラーからフォトンドロップ以外の物が落ちました。

私は興奮し、友人に連絡を取ろうと思いましたが、今は真夜中の上、明日は出勤日です。起こす訳にはいきません。

 

ともかく、写真だけをSNSで送り、自分ひとりでレアアイテムを鑑定することにしました。

 

もう一つの伝説を、ついに手に入れました。

 

ドロップ率0.009%の武器が2つとも揃いました。

一体、世界で何人がこの境地にたどり着けたでしょうか。

諦めなくて本当に良かったです。

同時に、ようやく解放されたという安堵感が強かったです。

正直、限界がかなり近づいていました。1月いっぱいやって出なかったら、また暫く休養しようと考えていました。その場合、もう再開していなかったかも知れません。

 

 

翌日、ディスコードで友人が見守る中、機関銃ガルド・ミラの合成を行いました。ネットの情報ではガルド・ミラの合成には条件がありました。それは

 

装備する側の武器を最大まで(+9)強化すること

 

です。武器の属性(+〇%)は、装備している方の武器のものが引き継がれます。ミラがアルタービーストに+20%、ガルドがマシーンの敵に+20%の補正がついていましたが、考えた末、強力なマシーンの敵に強い方が実用性が高いと思い、ガルドを装備し、ミラを合成することにしました。

 

ガルドを+9まで強化し、装備した状態でミラにカーソルを合わせると「使う」という選択肢が現れます。使うと、不思議な音がして武器が変わりました。

 

夢にまで見た最強武器「ガルド・ミラ」を遂に手にしました。

 

使ってみた感想としては、一発の威力はスプレッドニードルとほぼ同じです。それが3連射で飛んでいきます。その攻撃力は絶大で、ノーマル→ヘビー→ヘビーの1セットの攻撃を耐えられるザコ敵は、EP1にはいませんでした(キャラの攻撃力が限界まで上がっているのもありますが)。特殊攻撃は体力吸収で、アンドロイドなら1発で120回復します。

ノーマル→特殊→特殊なら、最大で720も回復します。

絶大な破壊力と回復力を併せ持ち、これがあるだけで敵なしになりました。

 

なお、射程も長く、ライフル並のヤスミノコフ9000Mにはさすがに劣りますが、それでも、体感でハンドガン並の射程を持っており、敵に近づかれる前から一方的に攻撃することができました。

 

思っていた通り、ガルド・ミラは最強の武器でした。

ガルド・ミラを手にするためだけに作られたキャラ「ミラ・ガルド」は、キャッチフレーズのとおり、その手にガルド・ミラを収めたのでした。

 

 

最後に、周回などの情報を載せておきます。

 

短銃「ミラ」

キャラメイクから約半月、総経験値500万で入手。

クエスト(セントラルドームの炎禍)周回数、不明だが少ない。

 

短銃「ガルド」

ミラ入手から約16カ月(途中5カ月中断)、

総経験点5570万で入手。

クエスト(博士の密かな欲望)周回数、概算で約1900周。

フェイク飴23個

そのうち18個は最初の3カ月半に集中。

あとは平均2カ月以上で1個(500周以上出ないこともあった)