星降る夜の浜辺でのひとりごと -8ページ目

星降る夜の浜辺でのひとりごと

うつ病患者かわ本音をそのまま詩にぶつけて叫びます。
幻想的なノスタルジジアを求めた詩を書くことも・・。

数年前の我が家の恒例行事
夕食後の家族の散歩
近くのコンビニへ向かう
アイスを買って
食べながら帰って来る
ただそれだけの事だった
だけど至福の時間だった
夜の住宅街に響く笑い声
揺れる小さな笑顔達
これが貴重なのかも
そう思えたあの頃…
時は過ぎ行き
今はもう家族で歩くことはなくなった
あのささやかな幸せは
貴重な記憶となった
まるで夢でも見ていたような
寂しさを噛み締め
今日も俺は1人
夜の街をさまよう
至福の記憶の跡を探し続けて…
またやってきた
恐怖の時間の始まりだ
気持ちの問題
確かにあるだろう
生活環境の問題
これが避けきれない
異常な恐怖を引き起こし
加速していく
苦しくてつらくて
思わずうめく
この苦しみをどう語ろう
誰が理解するのだろう
理解されない苦しみが
苦しみに輪をかける
そして耐えきれず
また薬に手をかける
休日の夕方
早めの風呂上がりに
小さな庭で涼んだ
空は一面曇り
だけどまだ日は高いようだ
少し冷たい風が
風呂上がりにはちょうどいい
明日の仕事を考慮して
ノンアルコールビールを開ける
帰宅時間を知らせる夕方の音楽が
あたりに鳴り響いた
何の楽しみもないけど
苦しいことは明日も明後日も山積みだ
考えると重さに耐えきれないので
隣の家から聞こえてくる
気の早い風鈴の音に耳を澄ます
透き通る音色があたりを浄化するように
幸せを運んでくれますように
いつの間にか祈っていた
自分が一番で
何でも思い通りにしようとした
若かりし頃の俺
家族さえも思い通りにしたかった
そんな俺に振り回されながら
時には病気に苦しみながら
傲慢な俺に従おうとしてくれた
あの頃の君
我が物顔で振る舞い
ワガママし放題の俺に
必死について来てくれた
あの頃の君
だけど何でだろう
あの頃の君の方が元気だった
あの頃の君はいつも側にいて
たくさん話をしてくれた
俺が好き勝手に動き回っても
望む時にはいつも側にいた
そして不思議だね
あれから時が経ち
俺は人生に倒れ
傲慢を反省し
家族を振り回した事を後悔し
与えた苦しみと悲しみを
一生かかって償いたいと願っている
だけど本当に不思議だよ
償おうとする今の自分に
君は興味を示さない
これからは君と家族と供にありたいのに
何故か君は素っ気ない
脚が折れた競走馬…
そんな気分だ
乱暴でも傲慢でも
走れる馬が魅力なのか…
どんなに優しくても
走れない馬に興味は無いのか
答えは君の心の中で
永遠の謎となりそうだ
春と夏の間の季節の
晴れと曇りの間の空から
午後の日射しが注がれる
借家のささやかな庭に
心地よい風が吹き抜ける
安物のパイプ椅子に座り
もうひとつのパイプ椅子に足を乗せ
グラスに安物のワインを注ぎ
安物のチーズを口にする
ゆるやかな酔いに心を誘い
「どうにでもなれ」と思った
心の鎖が少し緩んだ気がした
午後の日射しが何故か強くまっすぐに
俺を照らし続けていた
記憶の幻を求めて
今夜も夜道を歩く
羽織った上着が邪魔になる
そんな暖かく静かな夜は
幻が現れそうで
数年前の記憶の道を
記憶の通りに歩いてみた
懐かしい記憶がよみがえる
あの時はたわいなく
小さなイベントでも
今はもう二度と無い
貴重な思い出…
何度思い返してみても
繰り返すことはもう出来ない
何故なら
その頃の自分も
小さな仲間達も
今はもういないのだから
そして思い出という自分だけの映画館は
今夜も寂しく上映された
まずは仕事の矢に怯え
それから
思い出の幻想に浸り
この世の儚さに恐怖した
今は
この世の厳しさを嘆いている
休めに来た心が
休まらず
以前感じなかった不安と恐怖が
故郷の地でもつきまとう
俺は自ら苦しむのか…
心は子供のまま
あきらめきれず
受け入れられない
この世の厳しさ儚さ…
そしてまた
苦悩は続く
故郷での
二日目の朝は早くも
強い寂しさと共にある
薄曇りの空は
心の様子を写す鏡
明日、ここを離れる
でもまだここにいたい
何か出来る訳じゃない
それでもここにいたい
時の流れを止められないなら
せめて見守り続けたい
だけど生活の為
離れざるを得ない
そしてまた
故郷を想いつつ
激しい日常に流されるだろう
叶わぬ想いは二つを選べず
無理矢理引き裂かれ
か弱い心は
また傷ついてゆく
故郷の夜道を歩いた
夜道を歩くのは何年振りかな
家の近所の道だけど
昼間とは違う雰囲気だ
夜道の思い出は印象深く
通りごとにわき上がってくる
古~いものから数年前まで
その全てが懐かしく
感動で心が震える
まだ温かい思い出だから
このまま時を止めてくれ
壊れて無くならないように
いつまでも色あせない
素敵な思い出のままで
保存してしまいたい
久し振りに迎えた故郷の朝は
清々しい青空で満たされていた
だけどそれを楽しめない…
ゆとりの無い気持ち
現実社会に飲み込まれ
正気を失わないように
なんとか今日も立ち続ける…
それで精一杯
今の俺には精一杯
情けないけど
そうして月日が流れてきた
そしてこれからもそうなることが
怖い…
だんだん時間は無くなるだろう
だんだん余裕も無くなるだろう
家族の事親の事
今もなお
考えられずに立ち尽くす
ただ風雨に飛ばされないように
ただ必死に地面にしがみつく
自分を失わないように
ただそれだけなんだよ
ただそれだけで
時間は過ぎて行く
無情に時間は過ぎて行くよ