あの夏の平日に
朝から二人で散歩したね
それまでは俺は仕事で
君はいつも1人で散歩
君の散歩コースを
初めて一緒に歩いたね
普段は仕事の時間に
二人で
見慣れた街がとても新鮮
小学校の飼育小屋の前
君が羊にあいさつする
これもいつものことだと言った
楽しくて遠回りしたかったけど
いつものコースがいいと君が言ったね
散歩のコースが終わりに近づく
とても名残惜しかったけど
君は何とも思ってなさそう
またいつか…と思った俺
だけどいつかは来なかった
たった一度だけだった
一度だけの貴重な散歩
俺の貴重な宝物
真夏の太陽が容赦なく照りつける
それでも庭にいたくて
汗だくになりながら
ビニールシートを屋根に結びつけ
小さな日陰を庭に作った
その日陰に身を隠すようにすわる
この休日の時、この世界で
ここだけが自分に許された唯一の居場所
他にはどこにも行けない
どこにも居られない
ビニールシートの影に縮こまり
じっと青空を見つめる
まるで外敵に怯え穴に隠れた
小動物のように
それでも庭にいたくて
汗だくになりながら
ビニールシートを屋根に結びつけ
小さな日陰を庭に作った
その日陰に身を隠すようにすわる
この休日の時、この世界で
ここだけが自分に許された唯一の居場所
他にはどこにも行けない
どこにも居られない
ビニールシートの影に縮こまり
じっと青空を見つめる
まるで外敵に怯え穴に隠れた
小動物のように
もう10年も前になろうか
君は2階のベランダで
朝も昼も夜中もタバコを吸っていたね
空き缶を一つベランダに置き
エアコンの室外機に座って
手すりにもたれかかりながら
来る日も来る日もたった独りで
タバコを吸いながらベランダの外を
近所の屋根しか見えないのに
じっと見ていたね
どんな気持ちだったのか
知りたいけど多分
覚えていないと答えるだろう
楽しい気 持ちじゃなかったのは
確かだもんね
あれから10年経った今は
タバコの吸えない俺が
やはりただ外を見ている
来る日も来る日もたった独りで
近所の屋根しか見えないのに
じっと見ているよ
君の本心は永遠にわからないだろう
だけどあの時の君のつらさは
わかる気がする
今更聞けないし答えられない
ベランダの外をながめる君と
浮かぶタバコの煙
あの時の俺には全くわからなかった
君のつらさ
今じゃなくあの時にわかりたかった
でも、それでも、わかっただけ良かった
君はつらさを言葉にしない
これからもそうだろう
だけど今度はわかってあげたい
例え言葉にしなくても
今度こそはわかってあげたい
君は2階のベランダで
朝も昼も夜中もタバコを吸っていたね
空き缶を一つベランダに置き
エアコンの室外機に座って
手すりにもたれかかりながら
来る日も来る日もたった独りで
タバコを吸いながらベランダの外を
近所の屋根しか見えないのに
じっと見ていたね
どんな気持ちだったのか
知りたいけど多分
覚えていないと答えるだろう
楽しい気 持ちじゃなかったのは
確かだもんね
あれから10年経った今は
タバコの吸えない俺が
やはりただ外を見ている
来る日も来る日もたった独りで
近所の屋根しか見えないのに
じっと見ているよ
君の本心は永遠にわからないだろう
だけどあの時の君のつらさは
わかる気がする
今更聞けないし答えられない
ベランダの外をながめる君と
浮かぶタバコの煙
あの時の俺には全くわからなかった
君のつらさ
今じゃなくあの時にわかりたかった
でも、それでも、わかっただけ良かった
君はつらさを言葉にしない
これからもそうだろう
だけど今度はわかってあげたい
例え言葉にしなくても
今度こそはわかってあげたい
暮れゆく日差しに向かい
風を受けながら
うめきたくなる苦しみをこらえ
椅子の上で縮こまる
風は草木を揺らし
ざわざわと騒ぎ
木洩れ日は揺れる
強い苦しみが収まり
風の心地よさに気付く
屋根に日が隠れゆく
終 わりゆく日の寂しさを感じる
何事もなく過ぎゆくことに感謝し
何をすべきかわからぬことに不安を抱く
丘の上の小さな庭で
途方に暮れて
ただ風を受け続けていると
ふっとため息が流れていった
風を受けながら
うめきたくなる苦しみをこらえ
椅子の上で縮こまる
風は草木を揺らし
ざわざわと騒ぎ
木洩れ日は揺れる
強い苦しみが収まり
風の心地よさに気付く
屋根に日が隠れゆく
終 わりゆく日の寂しさを感じる
何事もなく過ぎゆくことに感謝し
何をすべきかわからぬことに不安を抱く
丘の上の小さな庭で
途方に暮れて
ただ風を受け続けていると
ふっとため息が流れていった
ようやく落ち着いた俺を
夕方の涼しい風が吹き抜ける
沈みゆく太陽を屋根に遮られ
鳥の鳴き声を聞きながら
家族の帰りを独り待つ
静かに時が流れていく
何かをするのがもったいない
時間の流れを感じていたい
許されるなら永遠に
さすれば俺は永遠に
詩を書き続けることだろう
天はそれを許すだろうか
それとも地獄へ引き戻すだろうか
ただ今は静かに感じよう
今流れている時そのものを
未来へと続く時そのものを
誰もいない家では
静かに時間が流れている
夕方の涼しい風が吹き抜ける
沈みゆく太陽を屋根に遮られ
鳥の鳴き声を聞きながら
家族の帰りを独り待つ
静かに時が流れていく
何かをするのがもったいない
時間の流れを感じていたい
許されるなら永遠に
さすれば俺は永遠に
詩を書き続けることだろう
天はそれを許すだろうか
それとも地獄へ引き戻すだろうか
ただ今は静かに感じよう
今流れている時そのものを
未来へと続く時そのものを
誰もいない家では
静かに時間が流れている
あれはまだ連日の激闘にもめげず
戦いを繰り広げながら
わずかな休みも精一杯楽しんでいた
そんな頃
ある休日に思い立って
家族で夜の横浜中華街に向かった
夜の首都高速は幻想的で
ベイブリッジからライトアップされた
船が見えた
工場の光さえ幻想的だった
中華街で元気な様子をメールした
短い時間で帰途についた
普通の休日の一瞬の冒険
その時を家族全員で共有できた
首都高から見た幻想的な光
それらに夢中になる子供達
今では貴重な思い出だ
休職して間もない頃
関東では有名な佐野厄除け大師に
みんなで行った
千葉から栃木へ高速で向かった
俺は休職中で子供達は夏休み
だから平日に行った
無事にお参りして御守りを買い
佐野ラーメンを食べた
お店の家族的な雰囲気に癒された
帰りに栃木のイオンで買い物をした
大したものは買わなかったけど
平日のイオンの広さに感動した
少し得した気になった
そして2年経った今でも
何故か忘れられないのは
家族みんなでゆっくり歩いたイオンのこと
このたわいない時間が
かけがえのないものだと
そう強く思っている
二度と無い時間だと
そう強く感じている
あの時を思い出すと
今でも心が震える
関東では有名な佐野厄除け大師に
みんなで行った
千葉から栃木へ高速で向かった
俺は休職中で子供達は夏休み
だから平日に行った
無事にお参りして御守りを買い
佐野ラーメンを食べた
お店の家族的な雰囲気に癒された
帰りに栃木のイオンで買い物をした
大したものは買わなかったけど
平日のイオンの広さに感動した
少し得した気になった
そして2年経った今でも
何故か忘れられないのは
家族みんなでゆっくり歩いたイオンのこと
このたわいない時間が
かけがえのないものだと
そう強く思っている
二度と無い時間だと
そう強く感じている
あの時を思い出すと
今でも心が震える
ニュータッチのチャーシュー麺
中2のある日
友達の家でお昼になった
みんなで近所の酒屋に買いに行った
そこで選んだカップ麺
当時はプラスチックのどんぶり入りで
それが気に入った
当時は新商品だったので
初めて食べたその味が今も忘れられない
今は普通のカップ入りだけど
まだまだ売っていて時々食べる
そして何度でもあの頃を思い出す
友達と初めて食べたカップ麺と
無限の未来に輝いていた自分を
中2のある日
友達の家でお昼になった
みんなで近所の酒屋に買いに行った
そこで選んだカップ麺
当時はプラスチックのどんぶり入りで
それが気に入った
当時は新商品だったので
初めて食べたその味が今も忘れられない
今は普通のカップ入りだけど
まだまだ売っていて時々食べる
そして何度でもあの頃を思い出す
友達と初めて食べたカップ麺と
無限の未来に輝いていた自分を
自分にとっての日常は
戦場と言い換えて間違いない
いつ倒れてもおかしくない
戦場から離れられる貴重な日
その日の朝は
戦場の夢にうなされ
何度も飛び起きた
真夏の太陽が照りつける部屋で
冷や汗をかき
震えながら飛び起きた
起きても尚恐怖に取り憑かれ
会話もままならず
薬を飲む
やがてようやく落ち着いた心は
落ち着いた眠りへと俺を誘った
ついに戦場の鎖から解き放たれた頃
既に日は大きく傾き
夕暮れの風が庭を駆け抜けていた
戦場の匂いを忘れるのに
まる1日を費やし二度薬を飲んだ
明日にはもう戦場の影が
覆いかぶさって来ることだろう
逃げ道は無く
戦うしか無い
戦場と言い換えて間違いない
いつ倒れてもおかしくない
戦場から離れられる貴重な日
その日の朝は
戦場の夢にうなされ
何度も飛び起きた
真夏の太陽が照りつける部屋で
冷や汗をかき
震えながら飛び起きた
起きても尚恐怖に取り憑かれ
会話もままならず
薬を飲む
やがてようやく落ち着いた心は
落ち着いた眠りへと俺を誘った
ついに戦場の鎖から解き放たれた頃
既に日は大きく傾き
夕暮れの風が庭を駆け抜けていた
戦場の匂いを忘れるのに
まる1日を費やし二度薬を飲んだ
明日にはもう戦場の影が
覆いかぶさって来ることだろう
逃げ道は無く
戦うしか無い
約2年ぶりの家族の散歩
なんとなく突然実現
大きくなった子供達
2年前と同じ道を
同じように歩いた
たわいのないコンビニまでの散歩
だけど二度と無いとあきらめていた
つい先日懐かしく思い出しながら
同じ道を独りで歩いていたのに
まさか実現するとは…
不思議な気持ちだ
背は大きくなっても
変わらぬ様子の子供達
ほっとした…
見かけは結構変わっても
中身は変わっていなかった
思い出のままだった
ほんとにささやかな夢の実現
こんな事もあるんだね
ほんとにささやかな事だけど
まだまだ希望はありそうな
そんな素敵な夜だった
なんとなく突然実現
大きくなった子供達
2年前と同じ道を
同じように歩いた
たわいのないコンビニまでの散歩
だけど二度と無いとあきらめていた
つい先日懐かしく思い出しながら
同じ道を独りで歩いていたのに
まさか実現するとは…
不思議な気持ちだ
背は大きくなっても
変わらぬ様子の子供達
ほっとした…
見かけは結構変わっても
中身は変わっていなかった
思い出のままだった
ほんとにささやかな夢の実現
こんな事もあるんだね
ほんとにささやかな事だけど
まだまだ希望はありそうな
そんな素敵な夜だった