◆亡くなる命。生きる命。~母の死①
ご訪問ありがとうございます。天野使音です。
昔話です。
重い話ですが、よかったらお読みください。
私の母は、私が3歳のときに亡くなりました。
母は、まだ25歳でした。
あと少し生きたら、26歳の誕生日が来て
2人目の赤ちゃんが誕生するはずでした。
母は、妊娠8ヶ月でした。
田舎の長男の嫁として嫁いだ母は、身体が弱く
私を出産したあとも入退院を繰り返していました。
母は、最初の妊娠を中絶しました。
2度目の妊娠も中絶しようとしたそうですが
父に見つかり中絶できなかったそうです。
それで、産まれてこれたのが、私です。
夏の暑い昼下がり・・
母は、同居していた祖母に買い物を頼み
家の中には、母と私だけになりました。
母は、私に湯のみを渡し
「お薬だから飲みなさい」と言いました。
私は、イヤと言って飲みませんでした。
母は、「飲みなさい」と言いました。
私は、イヤイヤとしたときに
湯のみを落としてしまいました。
母は、そんな私を見て悲しそうな顔をしました。
・・・
そのあと、母は薬を飲みました。
母の真っ白いブラウスが
みるみる汚れていきました。
私は、怖くなって
おかあちゃん!おかあちゃん!
いうこときく!いうこときく!
いうこときくから~!!!
泣いても叫んでも・・。。
それが母と過ごす最期の日になりました。
そのとき・・
母のお腹の中で
苦しみながら亡くなっていく『あかちゃん』が
3歳の私に観えたのです。
母と『あかちゃん』が、亡くなっていく時間を
たったひとりで看取ったことは、
言葉にできない恐怖となって
心の奥底に、ずくんと沈めた鉛を飲んだようでした。
亡くなる母の命。
亡くなる『あかちゃん』の命。
生きてる私の命。
亡くなる命と生きる命が、
同じ時間、同じ部屋で過ごしたのです。
買い物から帰ってきて祖母が見たのは・・
変わり果てた母の姿と
そばで泣く私の姿でした。
昔話をお読みいただき、ありがとうございます。
もう少し、つづきます>>
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記事の中の絵は
soul artist YUKIさん
の絵をお借りしました。
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天野使音 拝