いま、注目されているウェルビーイングの研究者である著者の書いた本である。



ウェルビーイング(well-being)とは、身体的、精神的、社会的に良好な状態、

つまり、心身の健康だけでなく、心の豊かな状態である幸福と、

社会の良好な状態をつくる福祉が合わさったものであります。



したがって、「楽しい」「うれしい」など幸せの感情を表す英語のハピネスとは

ニュアンスが違い、他に、やる気、思いやり、チャレンジ精神、やりがい、つながり、利他性

などにも関係する状態を、ウェルビーイング、よい心の状態と言います。



このウェルビーイングの研究分野は、「幸福学」と呼ばれるが、

この幸福学に近い学問分野に、ポジティブ心理学がある。



ウェルビーイングの研究が盛んになってきた理由として、学問的理由と社会的理由があるが、

学問的理由は、例えば幸せな人は、そうでない人に比べて、創造性が三倍高いこと、

生産性が一・三倍高いこと、寿命が七年から十年長くしかも健康であることが

分かってきたからであり、


社会的理由としては、社会の価値観が、地位財から非地位財へと移ってきたことにある。

この地位財とは、カネ、モノ、地位のように、他人と比べられる財であり、

非地位財とは、幸せや健康など、他人と比べるものではなく、自分のなかで昇華させる財です。

つまり、モノの豊かさから心の豊かさへと時代の要請が変化してきたということ。



先の読めない現代の、VUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)の時代

だからこそ、今、ウェルビーイングが注目されているのである。




著者は、ウェルビーイングの研究として、心の状態を分析した結果、

「幸せ」の因子として、四つを挙げます。

まず、一つ目が、「やってみよう」因子で、自己実現と成長を表し、やりがいや強みを持ち、主体性の高い人は幸せということを示す因子である。


二つ目は、「ありがとう」因子で、つながりや感謝、あるいは利他性や思いやりを持つことが幸せであることを表す。


三つ目は、「なんとかなる」因子で、前向きかつ楽観的で、なんとかなると思える、ポジティブな人は幸せである。


そして、四つ目は、「ありのまま」因子で、独立性と自分らしさを保つこと。
自分を他者と比べすぎず、しっかりとした自分らしさを持っている人は幸せです。



また他にもウェルビーイングを高める方法が、紹介されている。




私としては、このウェルビーイングの研究は、この前学んだポジティブ心理学と同様、

日々の生活に生かすことができる有り難いものだと思った。


この本を読んだだけで、幸せな気持ちに浸れた。


書かれてある、笑顔、親切な行動、感謝の日記などを私も実践し、自分の幸せを追求することと共に、

他者と共に、明るく楽しい幸せな日々を送りたいと思った。



この本も、また読み返したい一冊である。