
昭和初期に作られたというもっふもふの山車幕は非常に凝った技法が用いられているといわれ、現在作れば億は下らないともいう。毎年、京都の業者に送り数十万の費用を掛けて完璧な状態に維持されているという。
人形や万燈ではなく、この幕を以って遠州地方最高峰の「出し飾り」としているようである。
この幕に纏わる話は、現在進行形でありながら伝説と化したものであり、どこまでが本当なのか定かではないが、実際に犬居に出向いて現物を見れば、只々感歎するしかない。

春野犬居熱田神社例大祭2013 龍勢社 YouTube動画
犬居にはこの屋台の明治三十七年に撮影された写真が残っており、当時は四輪の屋台であったという。唐破風は近年改修され掛塚型に近い直線的な形状になっているが、かつての破風は丸みを帯びていたという。
二段欄間、腰板の蒔絵、美麗に仕上げられた外観に隙はなく、二輪屋台としては大型であって非常に威風堂々とした典雅で優美な屋台であり、遠州屋台芸術の最高峰の一台である。

祭り屋台というより、高貴な身分の人の乗り物という趣。風格がある。

何処から見ても美しい。贅を極め尽くしている。全国的に見ても、これだけの屋台というのは、そうあるわけではないだろう。ここは必ず見に来るべきである。

壮麗!!遠州屋台芸術の至宝~春野犬居熱田神社例大祭 YouTube動画
龍勢社と鷹尾連の二台が重なって右へ左へとスウィングする様子はこの世の光景と思えない実に雅やかなもの。

掛塚の屋台も天幕は美麗であり、遠州では比類のないものである、そう言って犬居にやってきた掛塚の人が、がっくり肩を落として帰っていったという。

四輪から二輪に改造された明治期(あるいはそれ以前)建造の二段欄間の屋台。調べればまだまだ驚愕の事実が出て来そうである。
犬居町は明治から昭和中期まで非常に景気の良い町であった。また、やはり秋葉山の威光というものは半端ではないようだ。それはこの屋台を見ればわかることであるし、そして犬居、その隣の領家地区には他にも素晴しい屋台がある。
もし、仮に秋葉山本宮秋葉神社例大祭などと称してそれらの屋台が一堂に会し、宣伝でもしたら大変なことになるだろう。そろそろ、この素晴しい屋台を世に問うてみて良いのではないだろうか。

