日本語は外国人にとって習得が難しい言葉と言われる。世間では「どの言語が一番難しいか」といった議論が行われることがあるが、言語の難易度というものは何をもって習得したとするかによって違ってくる。どの言語においても日常会話のみとか、ビジネス上の文書の読み書き、方言とかニュアンスの理解などいろいろな習得レベルがある。

 

ローマ字というと外国語のようにも聞こえるが、ローマ字はラテンアルファベット(ラテン文字)を使った日本語音声表記であり、日本語である。さらにローマ字表記には「ヘボン式」と「訓令式」の書き方が混在している。たとえば「つ」はヘボン式では「TSU」、訓令式では「TU」になる。ちなみにヘボン式はアメリカ人宣教師のヘボンさんが作ったものらしい。

 

パスポートの表記はヘボン式で記載されることが一般的であるが、国際規格としてのローマ字表記は訓令式ということで、学校で教えられるのは訓令式なのだという。

 

先日のニュースによると文部科学省からの提言で実際のローマ字使用方法に合わせて「ヘボン式」に見直しを進めることなるとのことである。確かに日本の地名などを外国人に発音できるようにする目的であればヘボン式の方が良いかもしれないが、日本人にとって「TSU」を「つ」と読むのは何となく違和感もある。ヘボン式とか訓令式の話でなくとも日本語にはLとRの発音の区別がなかったりするので日本語をアルファベット表記する際に困ることもある。例えば英語を知らない日本人は「ローマ字」がROMAJIになったりLOMAJIになったりROHMAJIになったりLOHMAJIになったりしてしまう。

 

まあこのあたりはどちらが正式ということもなく、一般論としての「決め」の問題なのかもしれない。