先日たまたま実家に帰った時、母親から「家を整理していたらコレが出てきたから一応渡しておく」と言われて僕の母子手帳を渡された。一応自分の記録でもあるのだが、何だか自分の秘密を知ってしまうかのような不思議な気分になった。


母子手帳というものが存在することは知っていたが、本物を見るのは初めてだった。しかも今から50年以上も前の紙の冊子であり、表紙は何かのシミだらけなのであるが、それでも大切に保管されていたことが見てとれた。

 

面白いのは手帳の名称からもわかるとおり、この手帳は明らかにお母さんと子供の手帳であり、手帳の内容には父親、お父さんに関する記述はなく、名前を書く欄すらも見当たらない。一方で各ページには「お母さん」「赤ちゃん」という言葉がそこかしこに出てくる。ネットでしらべてみたところ、母子手帳というものはもともと海外にはなく、日本で初めて使われるようになったものらしい。

 

僕が生まれる前の母親のおなかにいる段階からの記録になっていて、出産の時刻とか出血量まで手書きで記載されている。とりあえず僕は無事に出産されたようで僕が生まれた時の体重は3250グラム、身長は51センチだったことも初めて知った。

 

何やらお医者さんが記載している部分もあるのであるが、字が汚くて読めなかったりする。ツベルクリンとかジフテリア日本脳炎とかポリオとか、いろいろと当時の予防接種の記録とともに接種券の半券みたいなものが張り付けてあり、ネットで調べてみたところ現在では接種義務が廃止されているものもあったりする。

 

今後こういうものはネットとかスマホのアプリなどで管理されるものになってくるのだと思う。確かにデジタルの方が利便性が高いことは間違いないが、紙でできた母子手帳はアナログならではの人間らしい情報とか暖かさを感じることができる。