7月末に日本の有名登山家の平出和也さん、中島健郎さんがヒマラヤのK2西峰7500M付近でアタック中に滑落するというニュースがあった。

 

僕も長らく登山を趣味にしている身であるのでこの2人のことは以前から知っており、彼が出演していたドキュメンタリー番組は特に好きでよく観ていた。日本のアルピニストとしてトップクラスの実績を持つ2人であると同時に山岳カメラマンとしても一流でありこれまで様々な山の映像を提供されていた。この2人がいなくなることは周囲の人々にとってはもちろん、日本の山岳界、映像コンテンツ業界にとってもとてつもなく大きな損失であると思う。

 

そういえば平出さんは田中陽希さんの「日本百名山一筆書き「」の同行カメラマンとしてとんでもないスピードで山を駆け登る田中さんに並走しながら迫力あふれる映像を撮っていたりもしていた。イッテQなどのテレビ番組にも出演していたが、その他の番組においても屈強な山男というよりも腰が低く温厚で楽しい雰囲気の人だった印象が強く残る。

 

彼らは経験豊富な超一流クライマーであり、一か八かのチャレンジなどはやるはずはなく、今回の滑落事故は相当な予想外の事態が発生したのだと思う。現地取材班は遠方から2人の滑落を目撃し、その後救助に向かったヘリコプターからは彼らの姿を確認できたものの救助は諦めざるをえない状況だったという。恐らくであるがヘリコプターからみた状況からも生きている可能性が低いと判断されたのだと思う。その後救助活動は中止となり、帰還は絶望的となった。

 

彼らほどの登山家が想定できなかった事態とは何だったのか。「神々の山稜」のジョージ・マロリーのカメラの物語ではないが、いまだに遺体も回収されていない状況であるが、もし彼らが携帯していたカメラに撮影中の映像が残っていたらと思う。

今年の人間ドックの結果が来た。昨年もそうだったのであるが、ちょうど人間ドックの直前に新型コロナらしき症状があり、そのまま受診する形になってしまった(今年からコロナ検査費用は有料となり2500円かかるということで検査は受けなかったので正確にはコロナかどうかは不明)。 ちなみに今年のコロナはKP3という新型株で喉が異常に痛いのは以前のコロナと同じであるが、発熱症状はなく、通称「熱なしコロナ」と言われている。

 

話を人間ドックに戻すが内容的には前回と大きく変わらず総合判定はCだった。体重はこの数年ずっと変化はなく、血液関係の検査も全部Aである。ただ前回からやや血圧が高く、左の聴力検査では低音域がよく聞こえていない。以前は耳が良いのが自慢だったのであるが最近は自覚症状もある。これはもしかすると遺伝かもしれず、今のところ日常生活に支障はないが、あまり進行しないことを願うばかりである。

さらに今回もD判定をくらったのがピロリ菌検査である。これについては以前のブログでも書いたのであるが、病院にいくとまず内視鏡検査と呼気検査をすることになる。しかしながら前回は1万5千円以上も検査費用が掛かったにも関わらず、ピロリ菌は見つからず、結局治療してもらえなかった経緯がある。

 

ピロリ菌保菌者であっても特に体調不良の自覚はない。しかし放っておいてもピロリがいなくなることはないそうなので、納得はいかないが時期を見てまた検査に行って来ようと思う。

7月後半から開催されていたパリオリンピックが閉幕した。世界のトップアスリートが揃い、世界が苦しんだコロナ後の有観客開催となった。今大会を史上最低の大会などという人もいるが僕はそうは思わない。フランス流の良くも悪くも前衛的な演出が盛沢山で見どころも見ごたえもある祭典だったと思う。まずは選手とイベントを開催してくれた皆さんにお疲れ様でしたと言いたい。

 

今回の日本選手の各競技成績については海外大会で過去最多の金メダル獲得数とのことであるが、実際はメダル獲得が期待されていた選手が思うような結果を出せない場面も多かった。最近のオリンピックでは新しい競技も導入され、個人的には東京オリンピックから新競技となったスポーツクライミングはルールや採点方法もわかりやすく、強靭な体力だけでなくクリエイティブな発想が求められるところも面白いので好きである。一方で(おじさんの偏見であることは認めるが)ブレイキンといった種目はどうしてオリンピック競技に選ばれたのか、特にルールのないパフォーマンスに対する採点基準は何なのかと思ったりもした。

 

オリンピックの位置づけはそれぞれの競技によって重みづけも違う。サッカーやバスケ、ゴルフなどは選手にとっては一般的に最重要の大会ではないとされるが、陸上や水泳、柔道などのアマチュアスポーツ選手にとっては4年に一度のオリンピックが選手の人生を左右することもある。それだけに選手達の本気さが伝わってくる。AI活用やビデオ判定の導入も増えてきてはいるが、それでもまだまだ人間の判定が重要な要素も多い。今大会も(自国びいきの目線では)疑惑の判定はあったかもしれないが、コロナ禍で開催された東京オリンピックでは制限されていた選手同士の握手やハグ、対戦相手を称えるシーンも印象的だった。(僕も録画でみたのであるが、ビーチバレー試合中の「イマジン」にもアッパレをあげたい)。

 

鉄道網のトラブルやエアコンの不備、停電などいろいろと不満や批判が出ていた大会であったが、大会の雰囲気などについては各国メディアからの称賛の声も多く、ロシアや中東では戦争が発生している中で大きなテロ事件もなく閉会を迎えることができた事も良かったと思う。逆に言えば、何とかギリギリのラインで戦争や政治色を封じ込めた大会だったようにも思う。

 

次の夏季オリンピック大会は2028年はロサンゼルスで行われる。現実を見れば今後の世界に平和が訪れている姿は想像し難いが、この祭典は形を変えながらでも続けてもらいたい。

先週8月3日にこのブログで8月2日時点の株価急落について書いたのであるが、それはまだ翌週明けの株価クラッシュの序章に過ぎなかった。

 

8月5日の日経平均株価は4451円(12.4%)安、過去最大の下げ幅を記録した。株価ボードは市場開始から全面安になり、みるみるうちに見たこともない下げ率が表示されてゆき、東証プライム銘柄の99%が下げ、その6割が10%以上下げ、上場日本株800社がストップ安になるというメチャクチャな事態になった。

 

ところがその翌日6日、株価は急反発して日経平均は過去最大上げ幅の3217円高となり、その翌日以降の株式市場は開始後しばらくの時間は値が付かない状態が続き、上下幅2000円ほどの乱高下を繰り返している。一応何となく落ち着いてきた感覚はあるが、まったく市場の方向感が見えず僕のような一般人には手を出せない状況が続いている。為替レートも急激な円高ドル安となり、米国株を中心とした投資信託の評価額も急落し、僕を含めて多くの新NISA投資家にも影響が出ている。

 

今回の荒れ相場のきっかけは日銀による政策金利の引き上げとされるが、世界戦争でもパンデミックでもなく、日銀のたった0.25%の引き上げでここまで影響が出たことに驚いた。ただ政策金利を放置しておけば投機筋による円キャリー取引により円安がさらに加速することは見えており、引上げ自体は遅かれ早かれ実施は必須の状況だったとも思える。実施のタイミングが早すぎたという評論家もいるが、僕はそれは結果論だと思う。さらに言えば円高に振れてはいるが日本の輸出競争力が高まらない限りは円安傾向である状況は変わらないと思われる。

 

今後のアメリカの利下げや大統領選挙の動向も株式市場に与える影響は大きいと思われ、当面は予断を許さない状況が続く。

8月2日の日経平均株価は2216円の下落、1987年以降最大で歴代2位の下げ幅を記録した。

 

今週は3月期決算企業の第1四半期決算で多くの企業が好決算を発表していた中で日銀が政策金利引上げを決定し、さらにアメリカの景気減速懸念などが重なって異常な値動きとなった。

 

8月1日時点で多くの日本企業の株は下落しており、その夜の米国株も大幅に下落していたので翌2日の東京市場もやや落ち込むだとろうとは思われていたが、まさかこんな暴落になるとは思わなかった。僕は朝から株価を見ていたのであるが、取引開始から全面安の展開でそこからさらに凄まじい加速度で下落していった。

 

こういう状況では僕を含めて日本の一般投資家は全く動けず事態を見守るしかないのが普通であるが、ここまで株価が動くのはやはり海外の機関投資家が一機に売りに動いたという事だと考えられる。直近の企業業績や財務状況の良し悪しはほとんど関係がなく、むしろ業績好調の銀行株、ハイテク株、インバウンドで好景気の百貨店などの株価が10%以上下落した。同時にこれまで161円台まで上昇を続けていたドル円為替レートも一気に145円まで円高にシフトした。

 

僕が保有している鉄道・空運株はもともとそれほど株価が上がっておらず影響は3%台の下落であったが、それでも最近ようやく積みあがってきた含み益が一気に吹き飛んでしまった。僕はやっていないが信用買いをしている投資家にとっては恐怖の時間だったと思う。

 

次週の値動きが気になるが、なんとか落ち着きを取り戻してもらいたい。

日本時間で7月27日土曜日の早朝にパリオリンピックが開催がされ、前半戦が経過した。僕は基本的に「オリンピック興味ある派」なので閉会までずっと注目してゆきたいと思う。パリの日本との時差はのマイナス7時間ということで日本では逆にリアルタイムで競技を観やすい。例えばパリの昼場13時に開催の競技は日本で21時開始になる。概ね観やすい時間帯とはいえ、毎日の視聴続きに疲労気味である。(ちなみに今日も朝4時から男子バレーボールの試合を見てしまった。)


オリンピックの競技自体が楽しみであることはもちろんだが、そこから見える開催国の文化とか世界各国のつながり、選手の想いなどがリアルな映像となって現れてくるのが面白い。

 

今年の開会式はあいにくの雨模様で美しいパリの演出という意味ではいまいちだったと思うが、今までにない船上パレードはいちおう斬新だったとも言える。台風などは直撃しない場所であるとしても悪天候によるずぶ濡れリスクを負いながらこれをやるのはなかなか思いきった判断だと思う。アメリカ人のレディ・ガガとかのカナダ人のセリーヌ・ディオンなどの起用についても何となく違和感があったものの、まあフランスのアーティストが出てきてもたぶん誰だかわからないのでこれはこれで良しとする。ちなみに2人の今回の出演ギャラはゼロだったという。

 

開会式からもわかる通り、今回のオリンピックはこれまでにない低予算だ。新しいスタジアムは作らず、気温25度以上のパリで選手村宿泊施設にはエアコンがないらしい。セーヌ川でトライアストンをやるとかも何かにつけて強引な印象は否めない。

 

現状の日本選手の成績としてはやや事前予想からは乖離があるものの見ごたえのある試合が多い。そんな中で特に柔道の阿部兄妹の試合は印象的だった。妹の詩選手の敗退後の号泣にはさまざまな意見があるようであるが、僕はそれも含めてその後の兄の一二三選手の金メダル奪取の展開に感動した。

 

詩選手の号泣に関しては限界ギリギリのプレッシャーと不安で突然バランスが崩れてしまうようなことだってあると思う。「武士道うんぬん」とか「相手へのリスペクトがない」とかいうコメンテーターもいるが、聖人君子みたいな目線のコメントはスゲー気持ち悪い。(かつてサッカーの久保選手が負けてその場で号泣したことがあったが、その時だって対戦相手へのリスペクトがなかったから号泣したのではなかったはずである。)

 

試合の結果だけではなく、そこで生まれる人間くさいドラマがオリンピックの醍醐味である。

このところ政治ネタの記事が多くなってしまっているが、いろいろ書いておきたい事があるので仕方がない。今日のテーマは中国である。

 

僕自身は仕事もプライベートも中国の人々と直接的な関わりはないのであるが、新聞やニュースをみていると嫌でも目に入ってくるし、Youtubeの中国事情のコンテンツや討論番組なんかも頻繁に視聴している。

 

ニュース番組では日本人の政治学者や評論家がいろいろと説明をしているが、中国人の本音は中国人にしかわからない。僕は柯隆(か りゅう)さんという日本在住の中国人エコノミストが好きで彼が出ている番組をよく見ているのであるが、彼は中国人の国民性や民族的価値観に基づいたモノの考え方を教えてくれる。ご本人に何等かの圧力がかかったりしないかと少し心配しつついつも興味深く話をお聞きしている。

 

最近の中国事情をみているとあまりにも不可解な動きが目立つ。不動産開発の失敗をはじめ経済状況は最悪のはずであるが公表されている景気動向指標値にはまるで信憑性がない。半年以上先延ばしにされて行われた三中全会では5%の経済成長目標の維持とともに「中国式現代化の推進」というキャッチフレーズが掲げられていたが、掲げている共産党員たちも実は良く分かっていなかったりするのではないかとさえ思う。とにかく自国メンツ重視の無謀な計画によって経済を活性化するどころが失業者を量産する結果になりかねない。

 

国家安全?の名のもので行動監視や言論統制もこれまで以上に先鋭化している。海外企業による中国への投資を促すようなアピールをしつつも、反スパイ法などの取り締まりを強化したりといった理解に苦しむような動きが見受けられる。中国国内では数億人の若者が就職も転職もできない状況の中でも当局の監視を恐れて不満を口にすることもできない。

 

柯隆氏はある番組で「中国人は食べる物、食う事に不満を持った時に爆発スイッチが入る」と言っていた。中国経済の低迷は長期化することが予想され、さらに悪化してゆくことになれば内部から火がつく事態も十分ありえると思う。

この数週間で11月に行われるアメリカ大統領選の行方に大きなうねりが生じている。

 

つい先日までは共和党のトランプ前大統領と民主党のバイデン現大統領の支持率は拮抗していると言われていたが、6月28日に行われたトランプ氏とのテレビ討論会でバイデン氏は致命的な失態をさらしてしまった。討論会の映像はテレビ番組やネットで世界中に拡散され、バイデン氏の認知能力に対する不安は事実として認識されることになった。

 

バイデン氏は討論会当日は体調が悪かったと弁明し、その後さらにメディアへの露出を増やして印象回復を図ったがものの、そこでも輪をかけて決定的な言い間違いを連発し、ついには有力な民主党支持者から大統領選への出馬撤退を要請される羽目になった。その後もバイデン氏は撤退の意思を示していないが、このところは見るたびに痛々しいばかりのパフォーマンスになってきた。

 

そんなさなかにトランプ氏が遊説中にライフル銃で狙撃されるという事件が起きた。銃弾は耳をかすめただけであったが、一歩間違えば暗殺されていたかもしれない。撃たれたトランプ氏は立ち上がると拳を高く突き上げ、なんとも象徴的な強いリーダーのイメージが出来上がることになった。

 

こうなるとバイデン氏が劣勢を挽回することは難しい。客観的にみて民主党が別の候補者を立てるとしても資金も時間もなく、このままトランプ氏が大統領に返り咲く可能性は高いと思う。株式市場も反応し、「ほぼトラ」から「確トラ」への動きとしてトランプ政権による中国への輸出規制の可能性を嫌気された半導体株が暴落した。

 

僕個人としてはトランプ氏は嫌いである。あからさまに独善的で言う事がコロコロ変わり、人物的にも信用できないタイプだと思う。世界の平和や環境保護にも関心がなく、地球温暖化についても根拠がないと否定する。ちなみにトランプ氏は全米ライフル協会はから多額の献金をもらっており、大統領になったらバイデン大統領が制定した銃規制法を撤廃すると言っている。

 

アメリカ人も多くの人がトランプ氏を嫌悪しているのは間違いないが、それでも恐らくこんな人が大統領になってしまう。

7月7日に行われた東京都知事選であるが、結果としては現職小池都知事の圧勝となった。

 

有権者の多くを占める高齢者の票が小池氏に流れたとみられるが、今回の選挙結果は小池氏の都知事としての立ち振る舞いに満足している人が多いということかもしれない。実際にコロナ禍においても東京都の対応はしっかりしていたと思う。(小池氏の前の都知事の舛添氏が続投していたら東京はおそらく滅茶苦茶になっていたと思う。)

 

今回2位となった石丸氏はネットを活用した拡散を武器にして善戦したが、選挙後のインタビューの対応が物議を呼んでいる。僕からみてもとにかくメンドクセー男に見える。同じくメンドクセータイプの有名コメンテーターとの会話も全くかみ合わない。石丸氏についてはインタビュー対応も気になるが、安芸高田市長在任時にポスター広告費の未払いで提訴され、高田市に最高裁で敗訴判決が出ているといったことについては都知事選中にほとんど一般に認知されていなかったのも気になった。

 

投票率は60%を超え、全国的にも注目を集める選挙であったが、はなから当選を目的としていない立候補の乱立や候補者ポスター枠の転売騒動などもあり既存の選挙ルールの見直しを求める声も多かった。特にネット上では情報が増幅する傾向があり、情報に偏りが見られ、事実と異なる内容や過激なコメントも目立った。

 

これからの選挙のありかたを考えされられる都知事選だったと思う。

ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから2年4ヶ月が経過した。この戦争が勃発した当時、非常に短期間で決着がつくものとされていたがこんなにも長期的な泥沼に陥るとは思いもしなかった。7月後半にはオリンピックが開催されるが、戦時下の国から競技に参加するアスリートたちの思いは複雑なものがあると思う。

 

前線ではロシアもウクライナも多くの兵士が死亡しているが、プーチンはまるで人の感情がないかのように兵士も兵力も積み増し、占領に向けてコマを進める。一方でウクライナは東部全域が廃墟と化し、すでに自国の兵力供給はすでに限界に達しており周辺国からの支援に頼りながら耐久戦を続けている。

 

3月にスウェーデンが新たにNATOに加入することが決定し、欧州はロシアに対する守りを固めるとともにウクライナへ軍事支援も強化する。アメリカもウクライナに提供した兵器をロシア領攻撃に使用することを認め、これによりウクライナ軍はF16戦闘機やATACMSミサイルを使って反撃を模索している。

 

一方のロシアは北朝鮮からミサイルや弾薬の輸入を拡大し、事実上の同盟を宣言した。中国やインドも表向きは中立を装いながらもロシアから大量の石油を輸入しておりアメリカやEUによるロシアへの経済制裁を骨抜きにしている。そんな状況下でこの秋のアメリカ大統領選でトランプ氏が大統領になることがあればさらにロシア優位の展開になる可能性がある。

 

ロシアがウクライナを占領することになれば、世界は侵略戦争という活動を公認することになる。戦争は早く終わることを願うが、ロシア勝利の結末は受け入れてはいけないものだと思う。