第十八話 一息ボロネーゼ考察 | 炊き込みホビー倶楽部

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「話を整理しよう。」ボロネーゼは言った。
「まず神無君は過去からこの現代……100年後にやってきた。ポストを介して。」
「うん。」
「しかし、神無くんはそのコトを忘れている。」
「うん。」
「そこで俺の仮説なんだが――」
「話して。」
「アツシのが長い間に棺と融合しているとしたら、という話だ。アツシの脳が生体コンピュータとして棺の一部となっているという可能性だが。」
「生体コンピュータ?」
「人間の脳をコンピュータとして活用する。つまりアツシは生きたまま機械にされていたんだよ」
「サイボーグってこと?」
『その上、もしその棺が、例えば地下で、インターネットと接続していたとしたら。」
「うん。」
「アツシの意識はインターネットを介して棺から抜け出た。それが再び機械の中に移住したとして……」
「それが、ポストだとしたら。
それが何らかのウイルスに感染して『記憶をなくす』作用をもたらしていたとしたら?」
「あっ」
「アツシがポストの姿をしていたのも説明が付くし、ポストがアツシの記憶をなくしていたのも説明がつく。」
「ええ」
「ポストを通して過去から来た神無君が過去の記憶をなくし、この未来の人間だと思い込んでいたのも説明がつくだろう。」