Bip車の中に入るように、促された女王様。
ソフィアは、仕方なく振り向いて車の中に入っていった。
そして、十数台の車は、物々しい音を立てて、
遠ざかって行った。
森の木々の陰から、その一部始終をじっと見つめていたラム。
双眼鏡を、目から放しながら、如何にも釈然としない
表情をしているラム。
”人をひとり、助けたはずなのに、、、。”
クレアが、そんなラムに気付いて、
「仕方ないでしょう! 相手は女王様よ!」
「そうじゃないんだ、、、。」
と重い口調のラム。
いつもと違うラムに、クレアも戸惑っている!
「女王様、何だか、、もう会えないって!
こちらを見ているみたいだった、、、。」
ゆう子が、ポツリと言った。
「俺も、すごく嫌な感じなんだ、何だろう?、、、。」
「と・に・か・く! 私達はお尋ね者なんだから、
一度、引き揚げましょう!」
「ああ、、。」
二台のバギーは、木々の間を抜け、止めてあった
ライト・ウイングの所まで戻って行き、カタパルトの
スロープを上がって、機内に入っていった。
ハッチを閉じ、操縦席に向かう間も、ラムがふくれっ面
をしたまま、口をきかないので、
「ゆう子さん、どうするの?」
クレアが、ラムに聞いた。
「あ、ごめん! ゆう子、帰るかい?」
ゆう子は、寂しそうに下を向いた。
つづく。女王様を助けたはずなのに、、、。
次回をお楽しみに! ナウシカ