子犬はキャンキャンいいながら、子供たちから
   懸命に逃げて、こっちへ向かってくる。 子供たちの
   手には棒きれが握られていて、それで子犬を叩いている
   ようだった。
    子犬は懸命に走り、立っている女王様の後ろに、
   隠れるように逃げ込んだ!
 「こら~! まて~! 隠れてもむだだぞ~!」
    二人の子供が、棒を振りかざして迫ってきた。
 「待って!」
    ソフィアが、子犬をかばうように、2人に言った。
   ゆう子と遊んでいたロビンも、走ってきて、子犬を
   かばうようにして、二人の子供に向かって、
 「ウ~~!!」
     唸り声を上げた。
 「ねえ、どうして、この子犬をいじめるの?」
   ソフィアが、優しく聞いた。
  二人の子供は、ジッとソフィアを見つめながら、
 「だ、、だってこいつ、雑種だもん!」
 「雑種は、いけないんだ!」
    二人の子供は、むきになって言った。
 「どうして?」
 「血が、、、血がきれいじゃないと、いけないって!」
 「まあ!」
    ソフィアが、”あきれた!” と言う感じで二人を見た。
 「だから、こいつは生きていちゃあ、いけないんだ!」
   この、子供たちの言葉は、みんなを驚かせただけではなく、
    ソフィアの心に、ヅキリと深く突き刺さった。

  ソフィアは、しゃがんで、ゆっくりと子犬を抱き上げた。
 「お姉さんから、お願いがあるの。」
    そう、二人の子供に向かって言った。
   二人の子供は、目をキョトンとさせている。

 つづく。女王様は、子供たちに何と言ったのでしょうか?
    次回をお楽しみに!  ナウシカ