森が途切れ、牧草地帯が目の前に広がってきた。
見渡す限り、緑、緑々、遠くには牛の姿も見えている。
そして、道幅の広い道路が出てきたので、
その道路沿いに、家のある方へと向かって行った。
牧草地は、豊かな穀倉地帯へと変わってゆき、青々と
一様に揃った綺麗な畑が、何処までも続いてゆく。
「ほんとうに、綺麗ね~!」
ゆう子が、後ろの方でクレアと話している。
「女王様の国は、ずいぶんと豊かそうですね!」
ラムが、女王様に聞いた。
が、しかし、ソフィアは、
「ええ、、。」
と、誇る様子も無く、短く答えた。
その声が、いやに寂しそうに聞こえたのは、
ラムの気のせいだろうか、、、?
向うの方に、民家が見えて来たので、ラムはハンドルを
握りながら、パネルを操作し始めた。
この国の専用回線を、探っているらしかった。
いよいよ民家が近づき、傍らで作業をしている人がいたので、
バギーをストップさせ、降り立った4人。シートの下から
出た子犬は、すぐに女王様の足にまとわりついていた。
ラムは、農作業をしている老婦人に近づいて行った。
「すみません、旅の物ですが、ここは何という所ですか?」
老婆が、やおら顔を上げた。
「何かね?」
「すみません、ここの地名を知りたいのですが。」
もう一度尋ねた。
「ほう、旅の人かね、珍しいのう、
ここはミューレンと言って、けっこう有名な所じゃよ!」
つづく。女王様の国の中に、降り立った4人。
続きをお楽しみに! ナウシカ