明智光秀、柴田勝家らが、周りを警戒するのには
   理由があった。 東の大国は、伊賀、甲賀と人並外れた
   能力を持つ、郷の軍団を抱えていると言う噂、いつ何時
   いかなる所に、眼が光っているか分からないのであった。
    頭と頭がほぼくっつきそうになった時、
 「大殿からの頼まれごとじゃ!」
   光秀がささやいた。
   その言葉を聞いて、権六が周りの気配を伺いつつ、
   顔をさらに近づけた。
 「大和の国をの、探れ! との事じゃ。」
   それを聞いて、権六がにやりと微笑んだ。
 「ふふ、、それぐらいの事なれば、わざわざ光秀様が
   赴く事もごさいますまいに。」
 「さすがに読みが深いの!」
 「光秀様同様、わたくしもこの国を起こした、剛の者の
  一人でござりますからなあ。」
 「おお、大和の国の内情次第じゃが、、、できうれば、、、
  と、大殿はお考えじゃ!」
   と言って、にやりと微笑む光秀。
 「さすがは大殿じゃ、打つ手が早いわ!」
 「今宵の内に、国境の馬場民部の所まで行っての、
   打ち合わせじゃ。」
    そこまで聞いて、権六が急に体を起こした。
 「と、すっかり酔うてしもうたわ、殿!
   少し酔いを冷ましてわいりますわい!」
   権六が大声で怒鳴り、よろけながら立ち上がった。
  そして如何にも酔ったという足取りで、大広間を出ていった。
   その後ろ姿を、光秀はニヤニヤしながら、見送っていた。

 はてさてどうなりますことやら? 次回をお楽しみに!
           ナウシカ