梅雪、秀家を送り出した、道参吉勝
 「 それでは我らも!」
 「 おう、今兵を動かす事はまずないと思うが、
   もしもの用意だけは怠らずにの。
   後の者はこの豊作、刈入れまで頼んだぞ!」
    道参の野太い声が、広間に響く。
 「 は~!」
 「 はは!」
    重臣たち一同は、やっと納得した様子である。
   皆ぶつぶつ言いながらも、大広間から退出していった。

   重臣衆が立ち去った大広間、そのがらんとした大広間に、
   斎藤道参と明智光秀だけが残っていた。
 「 光秀、早速じゃが、、、気の利いた者をの、
    二~三日後でよい、東の大国へと遣わしてくれぬか?
   姫はの、あの後病床に伏して立ち上がることも出来ず。
  よって婚儀は暫く伸ばしたい、とのう。」
 「 そうでござりますなあ、重い病にかかり起き上がることも
   ままならず、と言うてやりましょう。
    所で殿、どう思われます?」
 「 あの性格じゃ、国光がいくら諌めても兵を動かすじゃろう。
    じゃが、、、この豊作は東の大国とて同じ事、今は動けまい。
   冬には雪が行く手を阻む。 となれば早くても雪の消え始めた
   頃じゃろうて!」
 「 私も同意見にございます。」
    道参は開け放たれた障子の外、遠くを見つめながら
   腕組みをした。
 「 所での光秀、大和の国の事じゃが、、、。」
    道参は、駿河の国を挟み込んだもう一つの大国、
   大和の国の事を切り出した。

  つづく。 「頬の傷」読んでくれてありがとう! と一人ひとりの方に
    お返し出来ないのが残念です~! ごめんなさいね~! 
                  ナウシカ