勘助の心を十分知りつつ、その勘助をなだめる道参。
  一番辛いのは道参であろう、その道参にそのように言われては、
   四天王のひとりとまで言われたさすがの勘助も、ここは涙を
   飲むしかなかった。

     さて、八月も半ば、いよいよ大豊作の兆しも定まり、
   道参も御市の方も何事もなかったかのように、普段通りの
   生活をしていた。
     そんな夕刻、
 「 殿!」
    光秀が慌てた様子で、吉勝の居る桔梗の間に近づいて来た。
 「 おお秀光、何かあったか?」
 「 は、東の大国からの使者にござります。
    明日、時綱殿直々に下見に参る、との言上にございます。」
 「 何、時綱殿が、、、。」
 「 は、殿のおなり故、街道筋も万全の用意をして
    掃き清めて待つように、との事にございます。」
 「 、、虫が好かぬが、仕方あるまい。
    そう領民に告げ、重臣どもを集めよ!」

   八月十四日
    この日は朝早くから、東備えの道が領民によって
   掃き清められ、要所要所には役のあるものが配置されて、
   時綱を迎える為の万全の体制が取られたのであった。
 「 殿、国境におります権六郎からの知らせにござります。」
 「 おお、何と言うてきたぞ?」
 「 は、夜遅くに、武装した東大国の兵三千が、
  国境を固めたとの知らせにございます。」
 「 何と仰々しい!」

  さて、どうなりますことやら? 次回をお楽しみに! 
                   ナウシカ