新鮮な空気を吸いたい。そんな気持ちになって少し歪んでいる窓を開ける。
外の空気は研ぎ澄まされているようで、若干沈んだ私の心に刃を立てる。
暗闇の中、空を飾る蒼い月。
薄っすらと桃色に色付き出した景色。
月が出ているのに雪がちらついている。
通りでこの時期なのに寒い訳だ。
美しい、と言うのだろうか?それとも、奇妙だ、と言うのだろうか?
蒼き月は幸せの象徴だという。
私は今、幸せなのだろうか?むしろ幸せとは何なのだろう。
振り返れば、静かに寝息を立てるあなたがいる。
この部屋にいるとき、確かに私は幸せなのだろう。
しかし、ここを出れば、そのような暖かな気持ちは露となって消えてしまう。
「幸せ」が口癖のあなたは、僕の腕以外に帰る場所がある。日常へと帰る場所が。
思考が現実へと戻るたびに、この人とこのままいつまで日を重ねていくのだろうという疑問が頭をかすめる。
これ以上を求めてはいけない。なのに、これ以上を求められて、私の心はどこへいくのだろう。
いつかの幸せを考えることに何の意味も見出せないから、私はあなたを抱きしめる。
ただ、その温もりを感じたいがために。
雪はまだ降り続いている。
蒼き月を隠すかのように。