久しぶりに地元の友人と会ってまいりました。ヘタすれば再開するのは20年ぶりぐらいの仲です。

 

公立中学校時代の同級生で、高校からは別々の進路となり会うことはありませんでしたが、実家暮らしの時に街中で何度かすれ違うなりしておりまして、その折に今度会おうと話しておりました。それが、ようやく今回叶ったかたちです。

 

頭の良い友人でして、勉強が大好きで、中学校時代もちょっと周りから浮いた感じで敬遠されており、それが原因で卒業後もほとんど連絡を取っていなかったというのもありますが、今回再会してみて、驚かされました。中学校時代は友人つってもあんまり遊んだこともなく、というかそもそも彼は誰とも交友関係の少ない人間であったので、その素性を詳しく知ったのは、なんと卒業後20年近く経った今回になってからでした。

 

勉強好きなやつだな~とは中学校時代から思っておりましたが、それがまぁ何とマジのホンマもんの勉強好きだったらしく、結局、中学校を卒業してからはなんやかんやありながら、日本の最高学府と謳われる某旧帝大学へと進学したそうなんですな。賢そうとは思ってたけど、ガチで賢かったのは今になって知ったことでした。ホントに友人か?

 

しかし、順調というわけではなく、家族には恵まれなかったそうです。

 

彼の家族関係はまったく知りませんでしたが、本当に他愛ないありふれた田舎の中流家庭という感じで、親も兄妹も取り立てて高学歴というわけでもなく、平凡な中流家庭の突然変異として、彼だけが飛びぬけて勉強が大好きだったそうです。というかむしろ勉強に理解のある人間は家庭内に誰もいなかったらしく、学生時代は塾も予備校にも通わず、独学だけで学力をメキメキ伸ばしていったらしいのですが、ここからが災難で、親がまったく勉強の価値を認めなかったそうな。

 

彼が両親へ旧帝への進路希望を口にしたとき、両親はまったく支持せず、地元の国公立大学しか認めないと口にしたとか。おそらく、下宿費用とか仕送りとか負担したくなかったんでしょう、実家から通える範囲の(学費の安い)大学しか認めなかったのです。家庭内に大卒者がいなかったのも相まって、大学進学の価値をあまり理解してもらえなかったんでしょうか。

 

結局、旧帝進学への資金援助はほとんどなく、彼はほぼ独力でなんとかしなければいけなかったそうで、奨学金だのなんだので凌いで進学自体は叶ったそうなのですが、ここからさらに災難が。

 

最高学府の理系学部に入学した彼は生来の勉強好きも相まって昼夜問わず研究に打ち込んでいたのですが、打ち込みすぎて過労で倒れてしまったのです。

 

ここに至っても両親は一切手を差し伸べようとせず放置。過労で倒れ、なおも体調不良の彼はバイトで生計を稼ぐことも出来ず、大学に通うこともできず、休学で療養する余裕もなく、なくなく大学を辞めることとなり地元の大阪に帰ってきたのでした。

 

今は地元のメーカーに勤めてそれなりに稼いでおり、定期的に転職してキャリアアップを重ね、結婚もして一児の父となっているのですが、親のことは一生許さんと恨み節を独り言ちておりました

 

地元の中流家庭とは言っても、車が数台は停められる広いお庭に一戸建てで住んでおり、そこまでおカネに困っている風には見えないのに、徹頭徹尾、資金援助を惜しんでおったそうです。おカネだけでなく、そもそも彼の進路や人生設計に対する根本的な理解さえ示さなかったのだと思います。

 

しかし、公立学校に通い、塾にも予備校にもいかず、独学だけで旧帝へ進学できる我が子なんて、親からすればとんでもない幸運かと思うんですが、それをこうも、無理解の一言で切り捨てられる親が存在するなんて、事実は小説よりも奇なりです。しかも彼の専攻は半導体関連の技術分野だったらしいですが、しっかり援助して院まで進学させてやっていれば、今頃どんなことになっていたのやら…無理解ってのは恐ろしい😨