ディズニーにはまったく興味ないけど、奥さんに連れられて、公開から一カ月以上経って映画「ウィッシュ」を見てまいりました。そして

 

本作の主人公にしてヒロインにしてヴィランのマグニフィコ王にドはまりました😭

 

 

 

 

とにかく魅力的過ぎて凄いキャラです。

 

マグニフィコ王の検索候補を見よ

 

 

ヴィランのくせにめっちゃ庇ってもらえるやん。世界最強の検索エンジン、Googleお墨付きの大人気である。

 

彼の魅力はソロ楽曲"This Is The Thanks I Get?! "を見よ!

 

福山雅治版もいいけど、是非、原曲の和訳テキスト起こしを探してみて欲しい。マグニフィコの王としての欠点とそれゆえの魅力が詰め込まれております。

 

 

 

 

とにもかくにも魅力的なキャラクターなんだけれども、色眼鏡無しに一人の統治者として見た場合、国を破滅させる典型例な人物です。

 

歴史上の人物で一番近いのはフランス第一帝政のナポレオン皇帝で、恵まれた才覚に比して王としての器が小さく、壁に当たると短絡的に力で解決しようとしてしまうタイプで、慈悲深い君主に憧れその通りに行動しているハズなのに、現実は真逆の方向へ悪化していき、最終的には、かつて国を救ったその手で国を破滅させてしまう…

 

真摯に国のことを思っていながら真逆の結果となる、というのはドイツ帝国のヴィルヘルム2世(第一次大戦で国を破滅させた)とも通じる部分があります。やはり、絶対に国を任せちゃいけないタイプの人物です

 

といっても日本人の情緒からすれば、自らの善意によって闇堕ちして身を滅ぼした人物ってどうしても同情しちゃうんですよね~僕もそうです。

 

そもそもマグニフィコは、俺が保護してやるんだからお前ら民衆に幸福追求権なんか必要ねぇ!って考えで、これが西欧自由人にとって最悪の独裁者に見えるわけだけど、自由で腹は膨れないが本音の日本人からすれば別に全然オッケーな思想なんですよ。日本人にとっての自由の価値を問う安部公房の「砂の女」を思い出してしまいました。だから日本人にとっては、国を亡ぼす点は論外として、人々の願い(Wish)を取り上げて保管しているとかは特に悪事には映らないんですよね。それよりも人間的にキュートだから、ウチの推しを闇堕ちさせたアーシャは責任をとっていただけませんか?って思っちゃう。

 

ちなみにマグニフィコ失脚後に王位を襲ったアマヤ王妃に薄情だなどという非難の声が一部マグニフィコファンから上がっておるようですが、それはちょっとフェアとちゃいまんねん。

 

 

最初は夫であるマグニフィコを積極的に支えていたアマヤ王妃は、後になってあっさり手のひらを返しマグニフィコを見捨てて自らが王位に就いてしまうわけで、妻という私人の立場としてみればあまりに薄情ですが、王族という公人の立場からすれば至極当然どころか模範的な行動です。

 

臣下からの信認を失った君主を、王族の身内が打倒して王位を奪うというのは歴史上ママ見られることで、本邦でも武田信玄が似たような文脈で父親を国外追放としていますし、ロシアのエカチェリーナ2世なんかは夫を幽閉して最終的に暗殺までしてます。こわっ。

 

また、共和制に移行したら誰が国の主導権を握るかで政治闘争が展開され、それこそマグニフィコが危惧した「人間の強欲さから生じる悲劇」が起こりかねず、アマヤが王位に就くことこそが混乱を最小限に抑えられる方法なんですよね。マグニフィコが築いた平和と繁栄を守ることで夫への義理を果たしたと言える🤔

 

とにもかくにも面白い映画でした。特に楽曲が良かったです。アメリカ本国での(日本での各種映画レビューでも)評判は芳しくないようですが、マグニフィコ王の魅力に免じて皆さんもぜひ見てください。