★ 4月17日(火)術後回想録 ★
手術から一夜明けた朝
ICUから一般病棟にうつる前にCTとMRI検査を受けるために
ストレッチャーで移動。
ICUがあるフロアーからCTの検査室までは
患者用の直通エレベーターを利用。
外来患者の方に会うことなく
スムーズに検査が終了。気分も問題なし!
ところが、MRIの検査室に行くには
一度外来待ち合いを通る必要があり・・・
頭に包帯を巻き、あらゆる機材が装着されたまま
ストレッチャーで横になる自分。
狭い通路を通る時は
多くの通院患者の方が好奇の目で
自分を上から見ていて
その視線に妙な緊張感が。
これは絶対、
検査を一度で終わらせなければ!
移動の間、強く手を握りしめていました。
日頃呑気な私が、
これだけ緊張すること自体が
今にして思えば異変の始まりでした。
別のストレッチャーに乗り換え
いよいよ検査室へ。
術後なので左側は耳栓・ヘッドフォンはしないで
検査スタート。
いざ始まると、いつもより音が脳に響き
頭が揺さぶられているよう。
目を瞑ると、昨夜から続く色んな映像
特に大勢の男性の顔がクルクルまわり
感じたことのない焦り。
「いつもは何ともない検査
大丈夫、絶対にこれで終わらせる」
検査中、ずっとその言葉を繰り返し
深呼吸を繰り返していました。
結果的に検査は何とか終了し、
また大勢の視線を浴びながら
ICUに戻りました。
すぐに、先生から一般病棟への移動許可がおり
鼻の酸素チューブを外して、
今度は車椅子で部屋に移動。
やっと部屋に戻れた安堵
これでゆっくり横になれると思っていた矢先
入室のための名前確認をされて・・・
「えっ??
私の名前なんだっけ??」
すぐに名前が浮かんできません。
「じゃあ、ここはどこですか??」
必死に答えた病院名は、全く別のところで
私自身も行ったことがない病院。
「ここは○○病院ですよ?わかります?」
看護師さんと話しをしていると、
どんどん目の前に霧のようなものが広がり
頭が真空パックされたように、反応が鈍くなる。
言われていること、
聞かれていることは分かるのに
言いたい言葉が出てこない。
色んなひらがなが洪水のように頭に溢れる。
「じゃあ、今日の日付は わかりますか??」
「えっ?今日は何月だっけ??」
ちょっと落ち着こう・・・
「最初の月から数えて言っていいですか?」
そう言おうとしたら、
ちょっとずつ口の動きも鈍くなる。
凄く喋りにくい。
そうしてる間にも、
明らかに呂律が回らなくなる。
もちろん、最初の月が1月ということも
出てこない。
「わたしはどうなってるの?
でも、家族の名前なら
絶対に分かるはず!!」
どんどん頭に霧が広がる中
大好きな子供達の笑顔は浮かぶのに・・・
苗字すら浮かんでこない・・・
「わたしの人生 終わった・・」
子供達の名前も分からなくなった母親
悔しくても、言葉が何も出てこない
ただ虚しく、意味を持たない音だけが
口から発せられるだけ
「また娘を泣かせてしまう・・・」
心の中でゴメンねだけを
ただただ 繰り返していました。

