先日見かけた朝日を映した虹。
さて、「コロナその後」です。
今年4月から9月頃にかけ、コロナ対策で大量の資金が供給されました。
上のグラフは北海道信用保証協会の付保の様子です。上がり方が垂直から45度くらいになりピークは越したことはわかります。しかし、まだまだ付保増加は継続しています。
その結果、そのお金はどうなったでしょうか。
北海道金融月報から。道内金融機関の貸出金は2020年2月末対比8月末で7,843億円の大幅な増加となっています。
同じ期間、預金は…
2兆2,487億円の増加となっています。
※通常ならこれらの数字をさかのぼってまとめてグラフにするのですが…北海道財務局に問い合わせた結果、なんと統計のバックナンバーは公開しない、と。
順を追っていきますと、2月末対比8月末では、
1.保証協会の付保額は同時期の累計で1兆373億円。保証協会の保証残は8,049億円増加しました。約定返済が進んだことによる残高減があったと思いますが、新規保証で、旧保証の借換をしたものも相当あったのではないでしょうか。
2.保証協会付融資が8,049億円増加しています。一方、道内金融機関の貸出残は7,843億円の増加です。ひょっとすると保証協会付融資で自行プロパーを回収した(禁止行為です)ケースがあるのかもしれません。
3.日本政策金融公庫などはこの統計にふくまれていないので新型コロナウイルス感染症特別貸付がどれくらいでているかはわかりません。(日本政策金融公庫は月例の残高発表をしていません)
4.そして…2兆円を超す預金増はどう考えれば良いでしょうか。まず、保証協会付融資で8000億円。日本政策金融公庫などの融資が預金滞留している分が同額あるとして1兆6,000億円。貸付増となった金額の相当部分が預金として滞留していることが容易に予測できます。コロナ対策として、一人10万円の特別定額給付金も出ています。しかし金額的には5百億円超ほど。このほか緊急小口資金/総合支援資金の貸し付けも進みましたが金額的なインパクトはもっと小さいはずです。
飲食業など借入をすぐ使った赤字企業もあったと思いますがその支払先の企業の預金に化けているでしょう。
今回は道内の消費動向や設備投資動向と重ねる時間がなかったのですが、この金額の預金が増加したということはとりあえず、貸付と給付金で供給された資金の大半は預金滞留しているとみてよさそうです。
新著「倒産のリアル」発売になりました。
コンサルタントを始めていままで見てきた再生の現場をなまなましく描きます。
「ビジネス書とも、経済小説の短編集とも取れる内容。普段あまり本を読むことのない自分でも一気に読めた」
「文体や段落、行間やダッシュの使い方がミステリー小説の文体に近くつい引き込まれた」
などのご感想をいただいています。
今まで、事業再生関連の本は、ガイドブック的な造りだったり、解説書風だったり、あまり読んでいて面白くない文体のものが多かったので、そうでないものを、ということで書き下ろしました。
札幌市内ではコーチャンフォーさん、ジュンク堂さん、札幌駅横の紀伊国屋書店さんなどに置いていただいています。
お手に取っていただければ幸いです。
ポストコロナを予想しました。新着動画はチャンネル登録でチェック!