北海道信用保証協会の付保額の増勢が続いています。
本日の日経新聞の道内面にも記事がでていました。
記事に引用されていた年間の保証承諾額と代位弁済額のグラフです。
4-6月の3か月間でリーマンショック後の09年度を抜いた、と。
年間の数値ではなく、月ごとの数値の12か月移動合計をとるとトレンドはさらに明らかになります。
薄い縦の青線の左側がリーマンショック、右側が東日本大震災です。(クリックで少し拡大します)
リーマンショック後、確かに保証承諾額は激増しましたが、直近3か月の崖のようなグラフの伸び方は史上初の事態です。
月ごとにみてみますと、
単位百万円
4月 前年 21,846 今年 72,090 (330.0%)
5月 前年 23,172 今年 252,506 (1089.7%)
6月 前年 27,322 今年 313,600 (1147.8%)
4-6月 前年 72,340 今年 638,196 (882.2%)
日経新聞記事のようにすでにこの3か月の保証承諾額だけで通常年1年分以上の金額に達しています。
保証残も増勢に転じたことが鮮明になってきました。
代位弁済額は実は昨年央からこの2月までじわりと増加に転じていました。
この3か月間、資金供給が十分行われたことで代位弁済額も一時的に減ったものと思われます。
上掲のグラフ、PDFはこちらから
問題はこのあと、利息や保証料の補填期間が終わり、さらに据置期間が終わり、本格的な返済が始まったときです。
セーフティネット保証を使い保証を付けるときに、金融機関に対し、北海道信用保証協会は、
「据置期間がおわってすぐリスケだけは勘弁してください」とくぎを刺しているようです。しかし、このコロナの影響下、数年先の返済の確約は難しい、というのも推測できます。
ともあれ、通常年では年間2万8千件程度の保証申し込みがある北海道。コロナ禍の中、3月から6月までの4か月間の申込件数は3万7078件。うち保証承諾したのは、3万6617件、実に98.8%の承諾率となります。文字通り不眠不休で付保に取り組んだ結果、と思います。
道内の消費税申告数は法人、個人事業主合わせて12万8494件(H29札幌国税局調べ)。医療や住宅の賃貸など消費税非課税の業態もありますがこれを稼働している道内の事業体数とし、保証承諾件数3万6617件から計算すると28%の事業体がこの4ヵ月間に保証協会の保証を受けたことになります。
以前このブログで書きましたように、コロナ禍により休業を余儀なくされるなど第一波のあと、副次的な影響による第二波がこのあとでてくるはずです。
保証残の多い、信用金庫、第二地銀、地銀の保証承諾額の推移です。従来から信用金庫は保証協会を利用して取引先の深耕をしてきたことがわかります。それを地銀、第二地祇が猛追している形です。
このあとも中小企業金融についてウオッチしていきます。
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