6月末まで一部テナントを除き閉館していた札幌グランドホテル。7月から段階的に平常営業に復帰します。

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 さて、今回のコロナウイルスの影響を緩和するための施策は中小零細企業向けのものから行われました。

 

 持続化給付金は法人200万円、個人事業主100万円。逆説的に言うとこの金額で効果がある規模の企業体を念頭に施策を整えたことになります。

 

 法人で200万円もらっても従業員数が数十名規模の会社だと年間の諸経費の1%位にしかならないのでは、と思います。

 

 ここにきてようやく中堅企業向けの施策がでました。

 

 「資本性劣後ローン」です。

 

 劣後ローンのイメージは下記のようなものになります。

  

 今般のコロナウイルスの影響で純資産の部の金額が薄くなったりマイナスになったり(債務超過)になっている会社の負債を、通常の借入から劣後ローンに置き換えます。

 

 劣後ローンは他の借入より劣後して返してもよいです、というもの。おカネはだすが返せとは言わないよ、ということで資本金類似のもとして扱われます。従って上の図では、純資産の部が20億円の債務超過だったとしてそこに劣後ローンが30億円入ることで一気に正常化することが可能になります。

 

 この劣後ローンの供給に第二次補正予算で最大5兆円、という予算がつきました。(そのほか中堅企業向けに劣後ローンではない貸付枠も増額される見込みです)

 

 経産省HPから。 

 

 日本政策金融公庫、商工中金など政府系金融機関が窓口となって対応を行います。

 

 日本政策金融公庫では国民生活事業で4000万円上限、中小企業事業で3億円上限で資本性ローン(劣後ローン、「挑戦支援資本強化特例制度」)を扱ってきました。

 

 資本金類似のおカネの出し方になりますので融資実行後の公庫の目線も株主の目線に似たものになります。

 

 例えば「4半期ごとの収支報告」が求められます。

 

 また、業績に応じて利率が変わります。業績が良ければ高い金利が適用され、業績が不芳であれば低い金利が適用されます。これは金利というより、配当に近いイメージで企業を見るから、ということになります。

 

 劣後ローン導入となればしっかりした事業計画が必要となります。また、借り入れ後、どのようにその計画に沿って利益を上げていくか、というかじ取りも重要になってきます。

 

 この辺がとりあえず出して支えます、という色合いが濃い、新型コロナウイルス感染症特別貸付やセーフティネット保証4号などとは違うところです。

 

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