募集のはじまった道民割、受付開始直後の数十分で割当分がなくなる施設が続出しました。

 

 宿泊施設側からは、「割当数が少ない」「割当数の連絡が直前」などの不満が漏れました。また制度上の問題としては、1泊当りの補助対象が、1泊6000円以上の宿となったためもともと料金設定の安いペンションなどが対象から漏れました。

 

どうみん割」予約開始、申し込み殺到 支援枠に達した施設も続出

 

 

 

 今回蒸発ともいえる状況となったことで道は第二次から第四次分として確保していた予算を繰り上げて使用する方針です。

(北海道新聞2020.7.1どうみん割「特別追加」募集開始 事業者対象から)

 

 これだけ好評なら予算を出してもっと出せ!と言いたくなるところですがそうではありません。

 

 まず、もともとがコロナ被害に対して予算枠が小さすぎる、ということがあります。すべてをカバーするのはそもそも無理なのです。

 

2020.6.10弊ブログ記事

道補正予算「どうみん割」のインパクトは「ふっこう割」の30分の1だが今やるべき

 

 

 前回の胆振東部地震のとき、被害があったのは道内の観光業。それに対して国が予算を付けオールジャパンで、道外客を動かすために行ったのが「ふっこう割」です。

 

 それに対してどうみん割の場合、被害額が胆振東部地震の10倍以上。しかもまだ拡大中です。そして予算をつけるのは北海道

 

 金額が十分でないのは百も承知ですが需要を喚起する呼び水として使われるわけですからやり方としては正しい。これしかない。

 

 いままで自粛、ステイホームで動きが止まっていた道民が再び宿泊施設へ足を運ぶための「きっかけ」を作るのが目的ですから。

 

 道内観光業のダメージは6月末までで3680億円という試算があります。金額だけを比較すれば北海道の医療、介護、生活保護、子育て支援を含む、保健福祉予算の年額3,791億円に匹敵します。国が北海道の観光業だけに予算を割くことは難しい以上、道の予算のみでできることには限界があります。

 

 緊急事態宣言が解除された今のタイミングで、この規模で、料金の一部補助というやり方でやるのが北海道のできる最大限の手立てだと思います。

 

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