持続化給付金について第二次補正予算審議の中で質疑が行われています。その中の大きなポイントが支給事務費の使い方。
予算1兆6,000億円、120万件の支給を見込む事業。769億円の事務費は計算してみると1件当たり64千円。
(6月17日追記 6月11日現在、199万件の申請があり、149万件の給付を行ったということですので申請1件当たり39千円、となります)
うーん、即、高い!とは思わないですが安くもない、という感じでしょうか。
何かと比べないと…と思い、ちょっと調べてみました。国税関連の申告数は年間28,664千件です。(平成29年度国税庁統計年報、所得税、法人税、相続税、贈与税、消費税の申告件数合計)それに対し国税庁予算は7,233億円。国税庁の仕事は申告を受けるだけではなく税務調査をしたり国税の広報をしたり、いろいろあります。乱暴な計算ですが単純に予算を申告件数で割ってみます。するとでてくるのは1件当たり25千円、という数字です。
そりゃそうです。国税庁が年間使う金額7,233億円に対し、持続化給付金事務だけで769億円。これをみちゃうとやはり「高い」感じがします。
実際に高めの数字でシュミュレーションしてみましょう。
人員1万人、ゆっくりめで1日2件処理したとすると1日2万件。120万件やるには60日。
1万人を日給3万円で60日稼働させると180億円。
1万人にPCを1台ずつ、15万円のものをあてがうと15億円。
1万人のオフィススペース 一人2坪×3万円月額×6か月として36億円。倍かかったとして72億円。
ここまでで267億円。あとはオフィス家具や消耗品、水道光熱費ですから…769億円までいくでしょうか。
(6月13日追記 全国に500か所以上ある、サポートセンターの経費で405億円かかるそうです。一か所平均7800万円かかる計算になります。この項別記事で)
さらに問題とされているのは委託費が受注しそれを再委託した企業をすり抜けるたびにおカネが抜かれたこと。
昔々ある国で。
王様「この国には相当な税金が集まる。しかしなぜ必要なところにいきわたらないのか」
大臣たちは横に並び、氷の塊を手渡ししていきます。最後の大臣に渡るころには氷はすでにとけ手には水しか残りません。
大臣たち「こういうわけでございます、王様」
って話を思い出します。
このブログのお問合せの多い項目になりますのが個人事業主の「開業届」「開業日」です。
5月からの募集では、「2019年中に開業」「これからも事業継続の意思があること」「昨年中開業したという内容で今年4月までに開業届が出されていること」が条件でした。
第二次補正予算後の持続化給付金交付ではこの条件が緩和され、「2020年開業」も対象とされます。問題は、開業日をどう扱うか。
日付の遡りはやはり認めないのでは、と思います。つまり、5月や6月の提出日付の開業届の中で、「実は今年2月に開業していました」というのは認めず、ここは従来通り、「昨年中2020年に開業したという内容で今年4月までに開業届が出されていること」という条件は維持されるのではないでしょうか。
そのうえで1月以降開業した事業体について、「1-3月の売上の平均値」と比べ、4月以降の月で売上が△50%になる月があれば対象、とするのではないかと思います。
参考になるのが、日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症対応資金」の適用条件です。
1.最近1ヵ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している方
2.業歴3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合等は、最近1ヵ月の売上高が次のいずれかと比較して5%以上減少している方
- (1)過去3ヵ月(最近1ヵ月を含みます。)の平均売上高
- (2)令和元年12月の売上高
- (3)令和元年10月から12月の平均売上高
- と業歴の短い事業体にも柔軟な対応をしているのです。
- もう一つ、今年1-3月の売上、は何を基にするか。売上帳などの資料でOKとするのか。2019年開業なら申告書を最低一回は出している、という前提で申請を受け付けましたがそれとベースを合わせるというのなら税理士などのサインをつけること、を条件にするのか。
- 今日参院で成立する予定の第二次補正予算。持続化給付金申込要綱の発表が待たれます。
-
↓youtube番組でもコロナ対策の解説をしています。チャンネル登録の上新着動画のチェックをお願いします。