どんどん秋らしくなってきました。
と思ったら週末は大型台風が来そう、と。
今日の道新に、「道が債権管理条例/貸付金や道営住宅家賃…回収強化へ」という記事が掲載されました。
財政厳しき折、道が持つ債権に関しきちんと回収を図るというのは正しい考えだと思います。重要なのは同じ記事の後半です。
「督促や強制執行の手続きを明確にするとともに、一定の基準を満たせば道議会の議決なしで債権を放棄できるようにし」とあります。
記事には、破産や時効などで回収が困難になった債権を議会議決なしで放棄する、人員を回収見込みのある債権管理に充当するため、としています。
破産、時効、などはっきりした判断基準があればそれ以上の督促はせず、銀行で言う損金計上してオフバランスへ、ということなのだと思います。
道など自治体がからむ事案で事業再生を目指し他の金融機関と同じ内容の債権放棄を求めたい事案について議会の議決なしに機動的に対応できればすばらしいのですがそのような趣旨ではなさそうです。
以前経験した事案で市中金融機関の融資に自治体が実質的に保証をつける形の融資が混じっていました。自治体に足を運んだり実際の貸し手である金融機関担当者と打ち合わせをしたりしました。「この融資はもし期限の利益喪失となったときには自治体が代位弁済(肩代わり)するんですよね?」とお聞きすると、
「いや…それはないです。債権は銀行に残ります。決められた期間回収努力をしてそれでも取れないときは自治体から補填がある、という仕組みです」と思いもしなかったお答えが返ってきたことがあります。
自治体が産業振興のため、民間金融機関の融資の保証めいたものを行うのはよくありますが何かあったときには非常に処理が複雑になる可能性が高いようです。
もう一つ、似たようなものに信用保証協会の債権放棄があります。
今年1月の日経新聞記事です。
国は債権放棄をやりやすくするためやはり議会承認なしで保証協会の債権を放棄できる条例を制定せよ、と指導しています。
今のところ北海道では整備されていません。
このあたりの詳細は再生コンサルタントの吉田猫次郎先生のブログに詳しいので是非ご参照下さい。
道新記事からの雑感でした。条例案ぜひ見たいところです。
