ふと気が付くと野生のポケモンが。

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 さて、コンサルティングのヒントになるのはビジネス本だけではありません。

 週末読んだ本の中にすごい本がありました。

 「家裁調査官は見た」。


 
家裁調査官は見た ―家族のしがらみ― (新潮新書)
家裁調査官は見た ―家族のしがらみ― (新潮新書)



 家裁調査官、というお仕事があります。家裁で扱う事件は、単純に「有罪無罪」で片付くものばかりではありません。

 少年犯罪の場合だと、有罪、無罪にあたる判断のほか、「現状のまま様子を見る」「親や不良仲間と引き離して様子を見る」などいろいろな対応が選択肢に上がるそうです。

 実情の調査を基に真実を解きほぐす、家裁調査官。それに必要なのは高度なカウンセリング能力と聞き取り力。…実は経営コンサルタントに求められるものと全く同じです。

 どうして感情はもつれるのか。どうやったら人は変われるのか。

 
 感情のもつれがどのように起きるのかがわかれば対処のしようもあります。


 また本書では、犯罪や薬物からどうやって脱却するか、ということを背景に、「どうやったら自分を変えられるか」が描かれます。


 コンサルティングのヒント満載です。


 例えば…


 「オレがこうなったのもお前(親)のせいだ!」と家庭内で暴れる息子。調査官のアドバイスは、「そのセリフを言いたくなったら『どうしていいかわからない』と言い換えて」というものでした。それで親子ともストレスが激減したそうです。


 親子関係がもつれる原因は、


 昔と違って子育ての参考にできる「お隣さん」がいない。

 そうなると「子供が生まれて初めて赤ん坊に接する」(=近所に接することのできる赤ん坊がいれば事前にこんな感じ、というように理解する機会もあるが現実は少ない)

「1対1で密室で向き合うしかない」(=誰かに預かってもらう、などのオプションが少ない)。

 その結果、親からみた子供、子供から見た親との関係は深く濃密になっていく。そして…親離れ、子離れがスムースにいかずトラブルになりがち、と。

 
 良書です。


 タイトルと帯の紹介文、もうちょっとなんとかならないでしょうか。