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 さて、ご相談を何百件も受けていると、ここは弁護士を入れて…という局面に出くわします。


 破産など法的処理をお願いするということではなく、

 「取引先ともめている(もめそう)なのを収めて欲しい」

 というようなものです。


 紛争解決はまずは当事者同士が話し合い、それでだめなら人を介し、それでもだめなら弁護士を立て…という順番にななっていきます。


 ここでありがちな誤解は、

 「弁護士を入れたらなんでも解決」という思い入れです。

 法律の専門家ですから魔法のように問題を片づけてくれそうです。


 しかし…


 よほど相手方に過失があって責任が明らかな場合でなければ、「こちらの思うような」解決にはなかなかなりません。


 紛争は、相手も悪いがこちらにも非があるケースがほとんどです。


 つまり、「圧勝」できる状況は珍しい、ということになります。


 そして、もし、弁護士が白馬の騎士のようにすべてを解決してくれる存在だとして、相手も弁護士を入れたらどうなるでしょう…「勝ち」とも「負け」とも言い切れないような結末になっていくのでは?

 
 弁護士は決して何かを「保証」したりしません。「必ず勝てる」とか、「〇〇万円は取り返します」とか。

 
 したがって、事業再生のなかでは、

 
 「避けて通れない紛争なら正面切って取り組まざるを得ない」
 
 しかし、

 「勝つ」前提で計画は書けない…勝つも負けるもわかりません。


 
 ということになります。


 最近見たケースでは、「取引先に商品供給を切られそう」「弁護士を入れてなんとか取引継続を」という相談がありました。

 このケースでは、社長同志、会社同志で話して上手く着地できなかったものが弁護士を入れてなんとかなるとは思えません。


 さらに読めないのは、「裁判」です。


 当事者同士、次は弁護士を立て、それでもだめならその次の紛争解決としては裁判になるのでしょう。


 しかし、さきの商品供給のケースのようにそもそも弁護士を入れ裁判をしたとして解決に近づくのか?という紛争もあります。


 しかも裁判に踏み切ったとしても、どれくらいの成果が見込まれるか、いつ判決が出るのかもわかりません。

 また、こちらの思うような判決が出たとして相手が控訴したら?



 経営者の心理としてはついつい、

 「これは相手が悪い」

 「金額的には●●万円はイケる」

 「それが入れば資金繰りも一服」

 と自分に良いように考え勝ちです。しかし実際のところは、

 
 「相手にも言い分はある」

 「主張したものが満額認めらえれるとは限らない」

 「いつ入るかもわからない。また、判決をもらっても支払いをしてこなければ取り立ての手間暇がかかる」


 ということになります。


 逆転の一手、奇跡の一手にはなかなかならないものなのです。



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