久しぶりに札幌テレビ塔に上りました。

 本年もよろしくお願いします。

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 さて、北海道信用保証協会の新しい保証制度、事業再生計画実施関連保証制度(略称「経営改善サポート保証」) が登場しています。

 簡単に仕組みを述べますと、事業再生途中で、条件を満たす中小企業に対し、通常の保証枠とは別枠で

 普通保証2億円、無担保保証8000万円、特別小口保証1250万円が使える、という制度です。

 例えば、条件変更を受けている途中で、

 「新商品を開発したい」

 「設備を更新したい」

 など資金調達ニーズが出てきた場合にぴたりとはまる制度だと思います。


 …しかし、往々にしてこのような良い制度を利用するには高いハードルがあります。この制度の場合は?


 「きちんと」事業再生をしていますよ、という外形的な要件が必要になります。

 以下のような組織や仕組みに基づいた支援を受けていること、です。主なものを列挙しますと

1.中小企業基盤整備機構
2.中小企業再生支援協議会
3.地域経済活性化支援機構

 の作成した再生計画

4.私的整理ガイドライン

 に基づく債権放棄や再生計画

 など。

 
 それなりにハードルは高いのですが、上記以外のチャンネルで比較的使いやすいのでは、と思われるものがあります。

 それが、

 経営サポート会議、です。


 通常経営サポート会議はメインバンク主導で、北海道信用保証協会の場で行われます。


 「●●社を支援するために、このような再生計画で協調しませんか?」という話合いが持たれるのです。

 そこで特段の反対なく、北海道信用保証協会を含めて金融機関の同意が得られれば、その事業計画が承認され、その計画に対する進捗をチェックしながら再生を進めることになります。


 そこで。

 
 メインバンクと綿密な打ち合わせを事前に行い、先に述べたような、

 「新商品開発」

 「設備更新」

 が再生計画に必須、それを織り込んだこの計画で!となったとき。

 
 そしてそれがサポート会議で承認されたとき、それに必要な資金は、保証協会の「経営サポート保証」で調達される流れになることになります。


 そして特別小口保証を使う場合を除き、「経営改善サポート保証」は責任共有制度の対象です。つまり、北海道信用保証協会が100%リスクを負うのではなく、融資を実行する金融機関も一部リスクを負いながら保証をつけてもらう形になります。


 …ここまで読んでいただいてお分かりと思いますが、 

 
 重要なのは、自社の再生を力強く後押ししてくれる、メインバンクがあること。そしてそのメインバンクと良好、濃密な信頼関係がないとこの仕組みは動きません。

 
 決算に粉飾があり、


 「すみません、再生したいのですが決算書が正しいものではありませんでした」というお詫びから入るようではこの仕組みは動きません。


 でもそのような信頼関係がもしあるのなら、ぜひともトライしてみたい仕組みです。