もう寒くなってきているのに新芽。バオバブ、弊社事務所に来て5年目。

image
 
 昔むかし…

 会計事務所勤務をしてきたときの思い出話です。

 ある年の新人研修にて。研修担当をしていた私は…

 「企業にとって収益性とCFは大事!損益計算書の見方をみっちり教えます」

 一緒に研修担当をしていたM氏はそれを横で聞いていて、

 「では私は企業の安定性を表す貸借対照表をみっちり教えます」

 と発言されて、その通り研修を行っていました。


 

 10年以上の時間が流れ…



 私は経営コンサルタントとなりました。

 今感じるのは、その時々のキャッシュフローを表す損益計算書はもちろん(銀行目線も相変わらず損益重視、と感じますし)貸借対照表の重要性です。

 創業した企業が実力企業に脱皮した、とみなされる指標にBSがらみのものがでてきます。単に毎年黒字、ではだめなのです。

 例えば…北海道信用保証協会の経営安定関連保証(財務内容のよい会社あてに経営者の連帯保証なしで融資を出すことを目的とした保証)で、財務内容がよい、とみなす要件として、
 
 以下の(1)を充足し、かつ(2)または(3)のいずれか1項目を充足すること

(1)自己資本比率が20パーセント以上であること
(2)使用総資本事業利益率が10パーセント以上であること
(3)インタレスト・カバレッジ・レーシオが2.0倍以上であること

 が挙げられています。

 (1)は、「余分な資産を持たないこと」「過去の利益を蓄積すること」がポイントになってきます。在庫を抱える小売業や内装、敷金を要する飲食業などでは単年で少額の黒字を続けることでは届かない可能性が高いと思います。

 (2)も、「余分な資産を抱えない」「利益をしっかり出す」ということでBSがからんできます。

 (3)は、借入過多にならないよう、ざっくりいうと支払利息の2倍以上の営業利益を確保すること、という指標です。

 3つとも、利益をきちんと出す、というのが大前提となりますが、それぞれ、「資産をどれくらい持つのか」「増資して資本充実するのか」「借入はどこまでにするのか」など対策後のBSを想定して、「会社を設計」していかなければなりません。

 

 また、私の今の仕事に絡む部分では、損益計算書をいじる(≒粉飾する)と必ずBSに跡が残ります。その意味でも貸借対照表は重要になってきます。



 話戻って、「安全性を説明するのに貸借対照表をレクチャーします」と話したM氏はその後、北海道ベンチャーキャピタルの社長になりました。現三浦淳一社長です。

 企業をどう判断するか。

 当時から慧眼をお持ちだったのです。




 

 

②