なかなか難しい。

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 来年度予算の概算要求方針が決まりました。成長分野へ重点配分、という大きなながれになります。では「成長分野」とは?

 それが明記されているのが「日本成長戦略」です。先月25日に発表されています。

 日本成長戦略は過去随時発表されています。2013年にでたものは、中小企業対策について、「連帯保証制度に切り込む」と明記し、経営者保証ガイドラインという形で結実しました。

 最新のものを読むと、それまでのものに比べて大きな変更点はありません。以下のような表現になっています。

 (引用開始)

④地域金融機関等による事業性を評価する融資の促進等

 企業の経営改善や事業再生を促進する観点から、金融機関が保証や担保等に必要以上に依存することなく、企業の財務面だけでなく、企業の持続可能性を含む事業性を重視した融資や、関係者の連携による融資先の経営改善・生産性向上・体質強化支援等の取組が十分なされるよう、また、保証や担保を付した融資についても融資先の経営改善支援等に努めるよう、監督方針や金融モニタリング基本方針等の適切な運用を図る。【一部再掲】

 このような事業性を重視した融資の取組に資する観点から、地域金融機関等の融資判断の際に活用できる技術評価の仕組みの構築に取り組む。

 こうした観点も踏まえ、「金融機関全体の健全性の観点からあまり重大でない小口の資産査定については、金融機関において引当等の管理態勢が整備され有効に機能していれば、その判断を極力尊重する」とのモニタリング基本方針の適用等も含め、適切な検査手法の在り方の検討やその活用に今後とも継続的に取り組むとともに、地域金融機関等による「経営者保証に関するガイドライン」の活用を図る。また、これらを通じた金融機関における対応の進捗状況を踏まえつつ、信用保証について不断に制度の見直しを実施していく。

 さらに、地域金融機関等による地域経済活性化支援機構等を通じた地域企業の経営における専門人材の活用に重点的に取り組むとともに、同機構による地域の核となる企業の早期経営改善等を支援するファンドの設立・資金供給の促進を図る。【一部再掲】

 また、地域の企業の事業活動が広域化していること等も踏まえ、地域金融機関が、今後の企業の本業支援や産業の再生支援等に必要な機能や態勢及び経営体力の強化を図っていくよう促していく。【一部再掲】

 (引用終わり)

 過去、このブログでも何度かご紹介していますが、中小企業に対する方針について、

 「担保依存、保証依存から脱却せよ」

 「金融機関として十分引き当てが積んであれば(融資方針について)金融機関の判断を極力尊重する」

 「経営者保証ガイドラインの活用を図る」

 など政府方針をなぞるような内容となっています。

 新しい内容がない分、いままでの決定事項の履行が期待されます。

 この動きを止めてはならないのです。


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