いただきもの。かりんとまん…?

帽子かぶったコンサルタント - 札幌で中小企業再生に取り組む、認定事業再生士のブログ-image


 今受けているご相談。

 その会社さんはメインバンクの指導の下、バンクミーティングでリスケプランが承認されました。さあ、これから再生だ!と言う段階に差し掛かっています。

 しかし…

 社長さんの顔はさえません。だいたい、問題がなければウチには来ません。(知り合いの社長さんに「ちょっと困ってるんだ」と相談したところ、弊社を紹介された、と)

 何が一番気になっていますか?ということで状況をお聞きすると、

 「リスケはいいが、このプランでは完済まで15年かかる。その間、役員給与は月額30万円。ローンの返済月額が10万円以上あるのに。いままで会社に入れた役員貸付金の返済も禁止されている。正直、やっていけるかどうか」

 「今50代後半にさしかかっているので15年後といえば70歳を過ぎることになる。このプランが終わるまでの間に体力的には経営から身を引くことになるのではないか」

 「自信を持って働けるのは65歳まで。そのあと商売を続けるとなると事業承継問題も出てくるがプランはそれに触れていない」

 そして一番の悩みが告白されました。

 「仕入れ資金の支払いが遅れています。これを正常化しないと仕入れが止まります」

 年明けにはその時が来そうです。しかもプランでは同時期にいったん止めた返済が再開される予定に。

 社長さんはこれまでにいろいろな人に相談をしたそうです。

 顔見知りの弁護士からは、「おカネが返せないのなら破産ですね」

 知り合いの社長さんからは「破産しなくてもうまいやる方法があるみたいだよ」

 など耳にしたようですがしっくりきません。

 その末に弊社においでになったというわけです。

 「こういう方法もあります」
 
 「社長が考えている方法は実際にはこういうデメリットがあります」

 など情報をどんどんお伝えします。こちらからは、「会社の何を守りたいですか?」という質問を投げかけます。

 実際にできること、というフィルターをかけながらあれこれ話のキャッチボールをしていくと次第に対策が姿を現してきます。

 事業再生で重要なのは、「納得性」です。表現を変えると、きちんと「腹を決められるか」ということになります。

 人から言われて…ではなく、自らの意志で自社の行く末を決めること。その決意があるからこそゴールまで走りぬく根気、執着が生まれます。

 


 いろいろなタイプの社長さんがいます。相手の悩み、性格に合わせて再生案を組み上げていくのも再生コンサルタントの仕事の醍醐味です。




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