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少し前に、道内企業の条件変更利用件数が少ない、と書きました。 

2012-09-28道内企業の条件変更利用が少ない理由

 その理由として考えられるのが「粉飾決算」です。

 業績好調、を装っているため、資金繰りが苦しくてもそれを言い出瀬ない状況にあるのではないか、という推測が働きます。

 リアルな話をしてしまうと粉飾決算そのものは決して珍しいものではありません。

 問題は、条件変更をお願いします、と申し出るときに「実は粉飾がありまして」と告白しなければならないことです。

 粉飾がなければ、業績が悪くなりだんだんCFが苦しくなってきているのを金融機関もリアルタイムで見ていますので条件変更を申し出たときに、「やはり」という感じで対応してくれます。

 よく、金融機関の担当者が口にする言葉で「信頼関係が」というのがあります。金融機関にとって貸付は「信頼関係に基づいて」行われます。どういうことか、というと、

 「おカネを貸してください」という申し出があり、その後審議を経て貸付実行、となります。銀行から見ると、

 「先にあなたの会社を信頼しておカネを貸しましたよ、あとはしっかり返してくださいね」ということになるからです。

 ということで、粉飾があると、銀行としては、「信頼していたのに」という流れから「信頼関係が失われた」という表現になるのです。

 銀行に怒られはしますが、そのまま資金ショートから破たんするよりは、条件変更をもらって再生に進んだ方がずっといいわけですから、借り手側としてはそこでひるまず、条件変更をお願いします、と頭を下げることが必要になります。

 そこで、条件変更のお願いとともに、「わび状」を添付します。

 銀行側の信頼を傷つけたことを真摯に反省し、お詫びの気持ちを記します。

 銀行側は本店や保証協会に報告をしなければなりませんので、

 1.粉飾をした動機 「~の事情でやむに已まれず…」
 2.粉飾の手口 「〇〇に架空の売掛金を計上し…」など
 3.どの事業年度でいくらの操作を行ったか
 4.粉飾を取り除いた正味の決算はどうなるか

 という補助資料を必ずつけます。どのみち聞かれるポイントですので最初から提出したほうが良いと思います。

 粉飾決算があっても結論としては、条件変更に応じてもらえる可能性が高いのですが、それもこれも、どれだけ真剣にお詫びをするか、にかかっているのです。




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