円滑化法後のパッケージについては、「事業再生ファンド」「中小企業再生支援協議会」「資本性借入金」を中心にしたものがすでに発表されています。
 
 2012.9.19「条件変更を受けた会社、出口はこうなる」

 その後、金融庁HP,中小企業庁HP,全国信用保証協会連合会HPなどフォローを入れていますが後追いの発表がないのがこれです。↓

 今日のサマリー
 「パッケージで出口戦略を作れる会社には限界がある。それをカバーするために信用保証協会にも再生のための金融機関調整機能を持たせる(プランがある)」

 以下、今月18日に配信された日経新聞の記事です。

 「中小零細の再生支援、全都道府県に窓口 金融庁など」

 中小企業庁と金融庁は地域金融機関や政府系機関などとともに、経営不振に陥っている中小零細企業の事業再生を支援する組織を47都道府県に整備する。各地の信用保証協会を窓口に、再生計画の策定を目指す。来年3月の中小企業金融円滑化法の期限切れに備え、支援が必要となる5万~6万社の中小零細企業にきめ細かく目配りする。

 企業の債務状況に詳しく、中立的な立場で金融機関や企業再生の専門家などとの間を仲介できる保証協会を事務局とし、企業自身や主力金融機関などからの支援要請を受け付ける。9月末時点で27都道府県で受付体制を整えており、年度末までに全国に広げる。

 支援要請を踏まえ、経営改善のため個別に「経営サポート会議」を開き、企業再生の専門家や弁護士などを交え、再生策を練る。融資の返済期間の繰り延べや、返済の優先順位が低く資本と似た性質を持つ融資に切り替えるなどの方法で企業の負債を圧縮。都道府県単位で設立が相次ぐ地域再生ファンドによる債権の買い取りなども行う。

 金融庁は全国に約400万社ある中小企業のうち、円滑化法の終了に伴って支援が必要になる企
業が5万~6万社に上るとみている。これを支援するため、政府は4月に「政策パッケージ」を発表。企業再生支援機構と各都道府県にある中小企業再生支援協議会を使い、複層的な安全網を作った。

 しかし支援機構が手掛けられる企業は大企業や中堅企業などを中心に年間数十社程度。それよ
り規模の小さい企業を対象とする支援協議会は2012年度の再生計画策定の目標を3000件としてい
るが、実際に再生までこぎ着けられる件数はこれよりも少ない。

 円滑化法の期限切れに伴い、数万社の中小零細企業が業績不振や資金繰り難に陥ったとき、既
存の支援網だけでは手が回らなくなる懸念があった。今回作る組織では、経営の数値基準が満たないなどの理由で支援協議会の対象から外れた企業や、融資に保証協会の100%保証が付いている
ため金融機関が支援を先送りする可能性のある企業の経営改善を進める。」

 保証協会付、ということは金融機関にとって、

 「万が一再生に失敗してもウチ(貸出をしている金融機関)には影響ないし…」という感じでのんびり構えられるケースがあります。

 しかし、保証協会にとっては不良債権化すれば即財政を圧迫しますので放置できない問題となります。

 前回のパッケージでは金融庁(金融機関)と中小企業庁(信用保証協会)が協力して…というトーンのものでした。

 しかし、借入がすべて保証協会保証付、という会社を想定すると、

 金融機関は、「まずい事態になれば代位弁済を請求すればいい」。

 それに対し、

 保証協会は、「手を打てるうちに打っておかないと不良債権化してからでは(金融機関が代位弁済をしてからでは)遅い」

 という状況が想像されます。つまり、利益が相反することもありうるのです。

 今回の報道はそれのギャップを埋めること。保証協会主導の再生、という道筋をつけようというものです。

 具体的な動きがわかりましたらすぐお知らせしたいと思います。



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