今日の札幌もいい天気。

帽子のターンアラウンドマネージャー札幌を行く - 認定事業再生士のブログ-ipodfile.jpg


 昨日お受けしたご相談です。

 売り上げが減少気味。粗利も十分ではなく、このままでは借り入れを返せない、と。

 弁護士に相談したところ、「法人と個人、弁護士報酬と予納金で200万円用意して」と言われた由。

 借り入れを返せない状況ですので弁護士も破産を勧めるしかなかったと思われます。

 ご商売の状況をお聞きするとマーケットも限られており改善の余地が少ないように思えます。

 私は再生コンサルタント、という立ち位置ですので、

 「まずは銀行返済の停止と条件変更の申し入れ」

 「資金繰りが一服したら、気持ちを落ち着かせて事業継続を」

 とアドバイスをしました。

 借金を返せないのになぜ会社をたたまないか?理由は一番下のお子さんがまだ中学生とお聞きしたからです。

 あと数年がんばれば学校を卒業することができます。それまで、今のご商売でがんばるのが最良の道では?

 破産や廃業はいつでも決断したときにできるのですから。

 …ただし、「がんばれ」というアドバイスはもろ刃の剣、でもあります。

 過去、この事案と同様に、「なんとか事業継続を」とアドバイスしたところ、翌日その方から涙ながらに、

 「ダメです…心が折れています。楽にしてください」とお電話をいただき、その会社さんはほどなく破産に進んだ、というケースを経験したことがあります。

 破産はいつでもできます、と言いながら、「破産を選んだ時のメリットは…」としっかりお教えするようにしています。やはり、弁護士を通じた連絡に切り替わり、債権者から経営者あて直接の連絡ができなくなることなどで心理的に楽になるのは大きなメリットです。

 経営者だからといって全員が鉄のハートを持っているわけではないのです。

 あくまでも目の前のご相談者にあわせ、丁寧に丁寧に対話をしていく大事さを改めて感じたケースでした。