オーロラ。葉が重くなりすぎてローソンのプラスチックスプーンを支えにしています。

帽子のターンアラウンドマネージャー札幌を行く - 認定事業再生士のブログ


先日いただいたメールの一部です。

「何となく事業再生と聞くと、経営に行き詰まった時の駆け込み寺のようなイメージがあり、踏み込み難いというか、まだ自分はイケるという気になります。
 今の勢いを保つ為にも、会社の健康診断を受けたい気持ちでおります。
 税理士が言うような在り来たりなアドバイスを聞いても、全て結果論で心に響きません。
こんな時誰にアドバイスを求めたらいいのでしょうか?」

 …それは私です、とお返事いたしました。

 事業再生は、そこに足を踏み込んでしまうとおしまい、ということではありません。

 事業再生がどんなものか解らないまま、経営に取り組むのも苦しいものです。

 いざ行き詰った場合にどんなことが起きるのかあらかじめ知識として持っておかないと「何が起きるかわからない」。未知は恐怖につながります。そして判断を誤ります。

 丁寧に説明すると、

1.正常 (利益がキチンと出ている。資金繰りにも問題はない)

2.資金がタイトに (決算書上利益は出ているが借入返済には足りない。借り換えで資金調達を続けないと苦しくなる)

3.資金不足 (人件費や家賃、公租公課などがたまりがちになる)

4.期限の利益喪失や差押、保証協会の代位弁済 (金融機関の返済が止まって数か月経過すると、「もう待てません、これ以降は回収一方となります」という通知=期限の利益喪失となります。公租公課がたまり、納付計画が遅れてくると差押につながります)

5.担保処分 (会社所有不動産、連帯保証人である経営者の自宅)

 ここまできてもまだ破たんではありません。

 月々の売上でその月の支払いが賄えるのであれば会社は倒れません。

 また、この先、破産に進んだとしても事業は残せるケースもあります。

 業種や規模、支払方法などにより千差万別の現れ方をします。

 また不振の原因がどこにあるか、によっても対処方法が変わります。

 事業再生は、即、破産や民事再生など、きったはったの世界にはなりません。時間をかけた経営改善でなんとかなるのならそれで良いのです。