事業再生のプロセスに入った後、対処にちょっと頭を悩ますのが信用調査会社の対処方法です。

 事業再生の途中である以上経営的には全くの健康体ではない。しかしいまいまつぶれるわけではない。そこをどう正しく伝えるか、ということになります。

 あまりいい対処法ではないだろうな、と思うのが、「話すことはない!」と調査を全く拒絶することです。
 
 調査会社は調べるのが仕事ですので会社から直接情報を取れないとなると、会社周辺から情報収集するしかありません。いきおい、

 「…したようだ」

 「…という話を聞いた」というレベルの情報が混じります。つまり情報に「ノイズ」が入るのです。あまり仲の良くない取引先がここぞとばかりあることないこと申し述べても直接否定する機会もありません。なにより、「話すことはない!」というのは「勝手に書け!」と言っているのに等しいわけですし…

 調査会社からのコンタクトは、

①定例の聞き取り 決算終了後、業績のチェックや業態の変化などについて情報更新するためのもの

②特定の調査依頼を受けて行う聞き取り(面談) レポート作成の依頼を受け、詳細な調査書を作成するためのもの

 に分かれます。

 ①なら数分の電話で終わるケースも多く特段気を使うこともありません。

 ②の場合ですと「調査依頼がございまして」と断ってから面談の申し込みがあるはずですので簡単に見分けが付きます。

 ②の場合の対処ですが、どこまで情報を公開するかをあらかじめ弊社と打ち合わせし、経営者の方に対処していただきます。デリケートな内容になりますので事前の打合せが必要になります。

 信用調査会社と対処は、調査があってからどうこう、ということではなく普段からの付き合いが重要になります。

① 普段から調査会社の担当者と仲良くなっておく

② 自社の情報についてはできるかぎり隠すことなくオープンにしておく

③ いざ、業績が悪化してから調査、ということになった場合には、誠意をもって対処する。「まずいかな」と思うポイントについては正直に「なるべく書かないでほしいんだけど…」と言えばたいていは聞いていただける感じがします。

④ 普段から仲良くなっておけば、逆に「○○社でなにか噂は出てない?」などレポートになる前の情報をもらうこともできると思います。

 味方にすれば心強い援軍となりますし、敵に回してしまうとあれほど怖い敵はありません。

 それが信用調査会社、なのです。