前回、景気は人口で左右される、と書きました。特に労働力人口がカギになるのですが…

 人口減少時代の大都市経済 ―価値転換への選択
人口減少時代の大都市経済 ―価値転換への選択

 「人口減少時代の大都市経済」

 高度成長期、地方から上京する一団がありました。就職のために上京したのです。

 本来なら地方で結婚し子供を設けていたはずの年代がごっそりと移住をした形です。高度成長期から地方では過疎化が問題になりましたがその原因がこれです。

 結果として首都圏、中京圏、阪神圏と地方との間に若年層の人口アンバランスが生まれたわけです。

 道内でも札幌圏とそれ以外の地域で同じような構図が描かれています。

 そしてこれら大都市圏はこれから急速に老化し、介護などのケアコストが激増することになります。介護保険は市町村ごとの運用ですので介護コストがあがればその市町村の財政を直撃することになります。
 
 また日本全体としては総人口の減少に先だって1996年から労働力人口が減少し始めています。減り始めたころは生産性の向上で労働力人口の減少を補い、低いながらも経済成長を維持できていましたが、このあと、労働力人口の減少のピッチが上がってきます。(2030年頃には毎年1%を超えるペースに)また、労働力人口とひとくくりにしますがその中でも平均年齢は上がっていくわけで労働生産性は向上どころか維持するのがやっと、ということになっていきます。

 つまり、

 「毎年GDPが減る」ことが当り前になっていくことになります。

 具体的には、「今年は△1%の予想だったが、△0.5%ですんで良かったね」という感覚を持てるかどうか。

 官も民も、マスコミも、です。

 バブル⇒デフレ⇒人口減少/高齢化、と「世界初」の経験をしてきた日本ですがまだまだ「世界初」は続きます。