花が一斉に咲いている札幌です。

帽子のターンアラウンドマネージャー札幌を行く - 認定事業再生士のブログ


 さて、人口の変動が経済に及ぼす影響について。

 かのドラッカー先生も、「将来のことは解らないが、将来を予測するに当り唯一の手掛かりになるのが人口だ」とおっしゃっておられます。

 ベストセラーになりました、「デフレの正体」では、

デフレの正体  経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)
デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

 「消費が弱くなっているのは消費する年代≒労働力人口が減っているからだ」とします。

 その前に出た本ですが、「人口減少時代の新しい公式」では、

「人口減少経済」の新しい公式―「縮む世界」の発想とシステム
「人口減少経済」の新しい公式―「縮む世界」の発想とシステム

 人口減は防げないのか?これから出生率を上げたり、移民を受け入れたりするのはどうだ?という議論をします。結論は、「すでに減ってしまった人口は持ち上げられない。(人口ピラミッドのへこんだ部分はそのまま加齢とともに上に上がっていく)」というものでした。ただし、必ずしも悲観的になる必要はなく、増税なしで日本はやっていける、と論じます。

 同じ著者が書いた、「人口減少時代の大都市経済 ―価値転換への選択」です。

人口減少時代の大都市経済 ―価値転換への選択
人口減少時代の大都市経済 ―価値転換への選択

 わが札幌はどうなっていくのか?人口予想によると2005年の札幌市の人口は188万人で65歳以上の人口の割合は17%です。それが2035年には人口が178万人に減るのに対し、65歳以上人口は32%に跳ね上がると予想されます(私も同じ時期に65歳以上になります)。実数では同時期に32万人だった札幌の65歳以上人口が60万人を超えると予想されています。
 今でこそ札幌は大学も多く、若い街で活力にあふれている、と思われるかもしれませんが、ここに落とし穴があります。今「若い」ということはこれから急速に老化する、ということを意味するからです。
 札幌市、北広島市、石狩市を除く北海道全体の65歳以上人口を計算すると、人口比では2005年ですでに23.7%に達していて札幌市単体と比べて6ポイント以上高くなっています。つまり札幌圏以外では「既に高齢化が相当進んでいるのでこれからも高齢者の割合は高まるがそのペースはゆっくり」となるのです。
 札幌市単体では労働力人口とされる15歳から64歳までの人口が同じ2005年から2035年の間に133万人から110万人に減少することになります。率にして17%に相当します。労働生産性が一定とすれば、およそ年率0.5%ずつ札幌市のGDPが落ちていくことになります。それにつれて消費も力強さを少しずつ失っていくはずです。
 「価格に厳しく品質にも妥協しない」札幌は一層難しいマーケットになっていくことでしょう。