(引用開始・時事通信配信)東京商工リサーチが23日明らかにしたところによると、イベント企画運営事業のビーアイシー(福岡市)は18日、福岡地裁に破産を申請した。負債総額は約1億5000万円の見込み。東日本大震災の影響で、今月予定していたコンサートが開催されず、資金繰りに行き詰まった。商工リサーチによると、震災関連の倒産は初めてという。
 ビーアイシーは1989年創業。九州を中心に野外音楽イベントなどを手掛け、2003年12月期には売上高約4億円を計上。しかし、長引く不況で業績悪化に歯止めがかからない中、人気ミュージシャン「INORAN(イノラン)」や「PENICILLIN(ペニシリン)」のコンサートが震災で開催できなかったことが響いた。(ここまで引用)

 震災関連の倒産第1号、という紹介のされ方です。直接罹災していない地域であるにもかかわらず破産申請をせざるを得なかった、という例です。

 道内の中小企業も置かれている立場同様で、もともと不景気が長く続き経営基盤が弱まっているところに、

① 会社の出先や工場が直接罹災しているような会社は全社を挙げて復旧優先していることで式典や歓送迎会をキャンセル
② 一般客は震災の映像を繰り返し見ることで消費マインドが冷え込む
③ 海外客は「当面日本へ行くのは見合わせ」

 など影響が出てきています。

 経済的な面で見えない津波が来ていることを感じます。情報収集した範囲では、
 
1.飲食店 前年同日比6-5割の売上になっている 居酒屋よりスナックなど2次会で足を運ぶような店の影響が大きい
2.食品 道外の催事売上について首都圏の百貨店の催事が輪番停電で中止になり事業計画を下方修正
3.食品 道外の販路を開拓したばかりなのにモノが送れない
4.内装・リフォーム業 資材が入ってこないので工事に遅れが出ている
5.工事業 資材が入ってくるのが遅れているがまだ数日の遅れに留まっている ただし来月以降入荷は保証できないと仕入先に言われている
6.ホテル 震災以後の予約キャンセルで3月は前年比売上2割減 4月以降のキャンセルがまだ止まらない 
7.食品 原料の一部が入ってこなくなっている これから売上にどのような影響が出るか読めない状況 取り敢えず工場の稼働を落とし余分な在庫を作らないようにしている
8.イベント 4,5月の受注がすべてキャンセルになっている
9.フィットネスクラブ 震災後来客がかなり落ちた 月会費制なのでとりあえず経営に対する影響はない
10.酒小売 外に出ない分、内のみが増えたようで売上はほぼ予算どおりの進捗
11.小売 実店舗の売上からネット通販にシフトしたが物流が分断され売上減

 という影響が出てきています。

 北海道は直接の罹災による被害は東北地方に比べれば少なく済みましたが間接被災、二次被災の影響がこれから広がってきます。

 北海道独自、札幌独自の対応が必要になってくるのは間違いありません。震災の影響を受けない会社がレア、ですから。

 いまからでも間に合うと思います。来月の地方統一選挙の論点の一つに加えていただきたいと思います。