直前のブログに書いたようにこの週末は旭川の中小企業大学校で、「経営トップセミナー」ということで金曜日の午後から今日、土曜日一日を使って事業承継セミナーを行いました。

 経営者の方が対象です。

 事業承継はこうなっている、と言うのを自分なりにお話ししました。

会社が留意しなければならないリスクは、会社内では残業代未払いを含む労務問題、会社の外では株式買取請求権の行使。

 M&Aの実務もご説明しました。

 60分から90分に一度程度休憩をとりますがその間にどんどん質問が出ます。その質問も的を得た適切なものです。

 その質問に答えるところから次の講座を始めます。

 その積み重なりで結局レジメを終えることができず…ある参加者様からは、「面白かったですがレジメの最後が聞きたかったです」とアンケートのコメントが。 m(__)m

 例えば、「会社の借り入れを返せないときは…」と事例をご紹介した後に、「知っている会社が営業譲渡など正式な手続きを踏まず、営業部隊を新設会社に移して営業を続けている。この会社から久会社の債務を取ることはできないのか?」など実務的な質問が飛びます。

 事業承継と聞いて、

 「あなたの会社の何を承継したいんでしょう?」とお聞きしたときには一瞬教室がシーンとしました。キーになる質問です。

 この日のキーワードは、

 買取請求権

 意思決定は女性がカギを握る

 M&A

 持株会社

 66.7%

 など。

 私は会計事務所出身ですが、事業承継はあくまで「事業」を「承継」することが重要で相続税の額の重要性は実は二の次です。

 会計事務所が行う事業承継セミナーはほとんどが相続税節税セミナーです。経営者個人が持つ不動産や金融資産について節税するのは必要ですが、自社株式については、

 「持ち株を散らさない」

 「散ってしまった株式はいつかは買い取ることになる」

 ということがポイントになってきます。

 そうなると自社株式と他の資産とのバランスや相続人の数、後継者に的確な人が一人しかいないのか、複数いるのか、などがポイントになってきます。

 税額だけで判断することはできないのです。

 とはいうものの、承継スキームが決まった後、だいたい相続税額がいくらで、誰のところに負担が行くのか、という部分については税理士先生の助けがないと計算はできません。

 初日夜に登場!ゲストの国稀酒造・林眞二社長です。

 林社長ご自身がサラリーマンから会社を承継された経験をお持ちです。

 九月末にお打ち合わせで増毛の国稀酒造をお尋ねして以来の再会です。

 お会いしたときに簡単にお話しはお聞きしたのですが、この日は聞き手が社長さんばかり、ということで鋭い質問が飛びます。

 1時間半ほどお話と質疑応答をいただき、懇親会へ。

photo:01



 林社長自ら持ち込まれた国稀の清酒。しかもこの日は製造元の林社長じきじきの解説付き、です。

 9月に蔵元にお邪魔した時にも丁寧にお話しいただきましたがさらに日本酒の理解が深まりました。

 ご講演のときに、「これだけは守る、ということはありますか?」という質問に、

 「どんなことがあっても増毛で商売をすることです」とお答えになっていたのが印象的でした。
 
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 記念撮影。遠近法がばっちりきまって、林社長と同じくらいの体の大きさに映りました。v(^-^)v

 実は、先に増毛に行った時、最後に「ご一緒に記念撮影を」とお願いしたところでデジカメが電池切れ…

 この日はそのリベンジを果たしました。

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 泊まりがけのセミナーでしたが、セミナー運営は非常に手慣れておられ、講師の立場から言うと本当に楽でした。

 最後にスタッフの方々と記念撮影です。

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 旭川中小企業大学校の実務はLECに運営委託されていますがすばらしい仕事運びでした。

 体力的、時間的にはきついセミナーでしたがやり終えて充実感が残っています。

 コーディネイトしていただいたSさん、お疲れさまでした!ありがとうございました!