来週はこの列車に乗って…津軽海峡を越えて…
さて、今日のテーマは会計と事業再生、です。
最近あった事例です。
ある会社の再生依頼を受けました。そうしたところ、「粉飾やっています」ということでしたので会計の担当者の方に、
「いつ(どの期で)どれくらいやりましたか?」とお聞きしました。
「…わかりません」と。
いろいろな領収証を計上しなかったり、請求書の計上時期をずらしたり、ということをランダムに行ったので復元しようがありません、とのこと。
作業を加えていただいてあるべきBSは復元してもらいましたが…申告書上のBSとの差額が粉飾金額ということになると思いますが、いつどの科目で、というのがわからないとどれくらいの収益力があったのか(または赤字だったのか)ということがわかりません。
加えて営業店を複数お持ちの会社でもありますのでどの部門が悪いのか、あるいは製造している商品そのものに問題があるのか、問題点の所在もはっきりしません。
粉飾決算がある場合、会計担当者としては、「やってしまったが本当はやってはいけないこと、よくないこと」という認識がありますのでお聴きすれば、
「決算修正仕訳のうち、最後の10本が粉飾にかかわるものです」、など手許に何らかの記録を残しているケースがほとんどです。さあて、どのように分析を加えましょうか。
別のケースです。
その会社さんも複数の営業店をお持ちでした。
コンサルの途中で一度決算を迎えましたので社長さんを通じて会計事務所に、
「きちんと部門別管理をするようにお願いして下さい」と依頼しました。
でも…試算表を見ると部門に分かれていません。当然いい店と悪い店の区別がつきません。
弊社のT社員から会計事務所に直接問い合わせしたところ、
「会計ソフトが対応していない」というお答えでした。
(「会計王」「弥生会計」「勘定奉行」あるいはTKCのFXシリーズなど、どのソフトでも対応しているはず…会計のプロであるはずの会計事務所の使っているソフトが対応していないとは??)
「でも複数店舗があれば部門に分けて管理するべきでは…??」とT社員が食い下がったところ、
「できません。だいたい、そんなことをすれば社長さんの負担が増やすことになりますよ!社長が社業に集中できなくなるじゃないですか!」と逆切れモードに。
…社長が社業に集中できるように正確な会計データを提供するのが会計事務所の役割では…??
このたび、JALの再生にあたる、京セラの稲盛会長が著書の中で、
「社長が飛行機のパイロットだとすると、会計データはコックピットの計器に表示される数値だ。その数値が誤っていれば操縦などできない」という趣旨のことを書いてらっしゃいました。
これらの会社さんが再生に入った遠因は会計の精度不足だろうと思います。
会計は直接収益を生みませんのでついつい手数料を節減しがちですが必ずしっぺ返しがきます。
株式会社スター・ターンアラウンド・パートナーズのモバイル版HPはこちらのQRコードからご覧になれます。
4月14日(水)ご好評につき、「会社はこうしてつぶれていく」セミナーを再び開催します。
13:30-15:30、北海道経済センタービル8Fです。おカネに詰まったとき、会社には何が起きるのか。連帯保証人である社長さんはどうなるのか。「いつ何がどんな順番で起きるのか」「差し押さえはあるのか」「抵当権の実行や競売はどうすすむのか」をゆっくりご説明します。テーマは「不必要な不安を取り除き必要な手を打つ」です。
今年4月に出版した本の表紙イメージなど詳細はこちらをクリックするとご覧になれます。
拙著を取り扱っていただいた書店店頭の様子です。画像をまとめて表示しました。こちらから。
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さて、今日のテーマは会計と事業再生、です。
最近あった事例です。
ある会社の再生依頼を受けました。そうしたところ、「粉飾やっています」ということでしたので会計の担当者の方に、
「いつ(どの期で)どれくらいやりましたか?」とお聞きしました。
「…わかりません」と。
いろいろな領収証を計上しなかったり、請求書の計上時期をずらしたり、ということをランダムに行ったので復元しようがありません、とのこと。
作業を加えていただいてあるべきBSは復元してもらいましたが…申告書上のBSとの差額が粉飾金額ということになると思いますが、いつどの科目で、というのがわからないとどれくらいの収益力があったのか(または赤字だったのか)ということがわかりません。
加えて営業店を複数お持ちの会社でもありますのでどの部門が悪いのか、あるいは製造している商品そのものに問題があるのか、問題点の所在もはっきりしません。
粉飾決算がある場合、会計担当者としては、「やってしまったが本当はやってはいけないこと、よくないこと」という認識がありますのでお聴きすれば、
「決算修正仕訳のうち、最後の10本が粉飾にかかわるものです」、など手許に何らかの記録を残しているケースがほとんどです。さあて、どのように分析を加えましょうか。
別のケースです。
その会社さんも複数の営業店をお持ちでした。
コンサルの途中で一度決算を迎えましたので社長さんを通じて会計事務所に、
「きちんと部門別管理をするようにお願いして下さい」と依頼しました。
でも…試算表を見ると部門に分かれていません。当然いい店と悪い店の区別がつきません。
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(「会計王」「弥生会計」「勘定奉行」あるいはTKCのFXシリーズなど、どのソフトでも対応しているはず…会計のプロであるはずの会計事務所の使っているソフトが対応していないとは??)
「でも複数店舗があれば部門に分けて管理するべきでは…??」とT社員が食い下がったところ、
「できません。だいたい、そんなことをすれば社長さんの負担が増やすことになりますよ!社長が社業に集中できなくなるじゃないですか!」と逆切れモードに。
…社長が社業に集中できるように正確な会計データを提供するのが会計事務所の役割では…??
このたび、JALの再生にあたる、京セラの稲盛会長が著書の中で、
「社長が飛行機のパイロットだとすると、会計データはコックピットの計器に表示される数値だ。その数値が誤っていれば操縦などできない」という趣旨のことを書いてらっしゃいました。
これらの会社さんが再生に入った遠因は会計の精度不足だろうと思います。
会計は直接収益を生みませんのでついつい手数料を節減しがちですが必ずしっぺ返しがきます。
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